航空機関連のバリューチェーンに幅広く関与

現在、世界で運航する航空機の約40%はリース機が占める。リース会社からのオペレーティングリースによるもので、その比率は年々上昇。2030年代半ばには50%に高まると見られている。さらに旅客増加に伴い機体数も2018年の2万3900機から2038年には4万機を突破すると予測されている。

東京センチュリーの航空機ビジネスへの取り組みが際立ってきたのは2010年代に入ってからだ。主力の国内リース事業が飽和状態となり、リース料率は低下傾向が定着して久しい。こうした中、成長分野として海外や航空機などへの投資を加速させてきた。

手始めが2012年、世界各国で航空部品・サービス(整備、リペア、点検)事業を展開する米GAテレシスへの出資だ。20%を出資したうえで、2018年10月に29.2%を追加取得し、合計49.2%保有する筆頭株主となった。今回、ACGの買収によって、GAテレシスとの相乗効果をさらに引き出す。

具体的には、競争優位なポジションを確保して従来以上に航空機オペレーティングリース事業に主体的な取り組みが可能になることがあげられる。

もう一つは、自社で手がける航空機ファイナンス事業やGAテレシスが強みを持つ中古機体・中古部品売却に関するノウハウを生かした航空機のアフターマーケット事業などと連携し、航空機ビジネスのバリューチェーン全般への対応を強めることにある。

エンジンリースで合弁会社を設立

その表れといえるのが航空機エンジンへの関与。今年1月に、GAテレシス、全日空商事が各40%、東京センチュリーが20%を出資して航空機エンジンのリース会社「ゲートウエイ・エンジン・リーシング」(フロリダ州)を設立した。航空機需要の拡大でエンジンリース市場も一層の伸長が見込まれ、その布石を打った形だ。

2014年に米金融会社のCITと航空機リースに関する合弁会社を設立した。これについては、2017年に合弁を解消し、完全子会社化している。

2016年には米の大手独立系リース会社、CSIリーシングを傘下に収めた。まず株式35%を取得し、いったん持ち分法適用関連会社としたうえで、完全子会社化した。ACGやGAテレシスのケースもそうだが、出資比率を段階的に引き上げるのが東京センチュリーにとってM&Aの流儀のようだ。

需要家の航空会社とも緊密な関係を築いている。2012年、ジェットスター・ジャパンの営業開始に合わせ資本参加(16.7%)した。豪カンタスグループ、日本航空、三菱商事とともに出資する。ジェットスターは国内・アジア太平洋地域で1日約100便運航する国内最大級のLCCに成長を遂げている。

沿革
1969 伊藤忠商事、第一銀行(現みずほ銀行)など4社が共同出資し、センチュリー・リーシング・システムを設立
1985 自動車リース部門を分離し、センチュリー・オート・リース(現日本カーソリューションズ)を設立
2003 東証2部上場(翌年東証1部に昇格)
2005 センチュリー・オート・リースがNTTオートリースと合併し、日本カーソリューションズに
2008富士通リース、資生堂リース(現エス・ディー・エル)を子会社化
2009 東京リース(1964年に日本勧業銀行などが設立)と合併し、東京センチュリーリースに社名を変更
2010 IHIファイナンスサポートを子会社化
2012 航空機部品・サービスの米GAテレシスに出資し、持ち分法適用関連会社化
格安航空会社のジェットスター・ジャパンに出資(16.7%)
2013 ニッポンレンタカーの株式を追加取得し、子会社化
2015 米の大手独立系リース会社、CSIリーシングの株式35%を取得し、持ち分法適用関連会社化
2016 東京センチュリーリースから、東京センチュリーに社名変更
米リース会社CSIリーシングの株式を追加取得し、完全子会社化
2017 米の航空機リース大手、アビエーション・キャピタル・グループに出資し、持ち分法適用関連会社化
月島機械と消化ガス発電などの下水処理場における発電事業などで業務提携
2018 日本カーソリューションズを通じて、東京ガスオートサービスを子会社化
神戸製鋼所傘下の神鋼不動産を子会社化
サブスクリプション(定額料金)サービスのビープラッツを持ち分法適用関連会社化
米GAテレシスの株式を追加取得し、筆頭株主(所有割合49.2%)となる
2019(1月)GAテレシス、全日空商事と合弁で航空機エンジンリース会社「ゲートウエイ・エンジン・リーシング」を米国に設立
(3月)アマダリース(神奈川県伊勢原市)を子会社化
(7月)伊藤忠建機(現伊藤忠TC建機)の株式50%を取得し、持ち分法適用関連会社化
(9月)米アビエーション・キャピタル・グループの買収を発表