東京センチュリー<8439>は米航空機リース大手、アビエーション・キャピタル・グループ(ACG)を買収することを決めた。約3200億円を投じて株式75.5%を追加取得し、12月をめどに完全子会社化する。同社が取り組むM&Aとして過去最大だ。

昨年末には持ち分法適用関連会社で航空機部品・サービス事業を手がける米GAテレシスの筆頭株主になるとともに、GAテレシス、全日空商事と合弁でエンジンリースの新会社を設立した。国内最大級のLCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンに約17%出資する大株主でもある。航空機ビジネスにアクセルを踏み込む理由とは。

航空機リースで世界的大手の一角に食い込む

東京センチュリーが買収するACGは316機を保有・管理(6月末時点)する世界11位の航空機リース会社。発注済みの機体を合わせると、合計約500機に上る。カリフォルニア州に本拠を置き、1989年の設立以来、一貫して黒字を維持。再編・統合が進む航空機リース業界にあって、名称を変更することなく、継続的に業績を拡大してきた数少ない航空機リースの専業会社という。

ACGはナローボディー(狭胴)機を中心に、世界45カ国を超える90社以上の航空会社に対してリース事業を展開している。2018年12月期業績は売上高約1120億円、当期純利益85億円、純資産約3450億円。

ナローボディー機とは機内の通路が1本のタイプで、座席数100~200程度の中型機。航続距離5000キロメートル程度の中短距離線に使われる。これに対し、ワイドボディー(広胴)機というのは通路が2本あり、座席数も200席以上で、長距離線が主体。

50~100席程度、航続距離2000~3000キロメートルの小型旅客機は一般にリージョナルジェット機と呼ばれる。三菱重工業が2020年半ばの納入を目指している「三菱スペースジェット」(70~90席)はこのジャンルだ。

東京センチュリーの自社保有機体数はこれまで50機程度。今回、300機以上を保有するACGを傘下に収めることで、航空機リースの世界的大手の一角に駒を進めることになる。

航空会社の自社保有は横ばい、高まるリース機への依存

同社は2017年12月に、ACG株の20%を親会社の米生命保険会社パシフィック・ライフ・インシュアランスから取得し、持ち分法適用関連会社とした。今年3月に増資を引き受け、持ち株比率を24.5%に引き上げたばかりだが、間を置かず、残りの株式についても買い取ることで合意した。ACG買収には当初の出資段階を含め、投資額は合計で4000億円規模に達する。

こうした積極的な投資の背景にあるのが新興国を中心とする航空機需要の拡大と、これに伴うLCCの急速な台頭、そしてリース機への依存度の高まりだ。

航空機需要は増加の一途をたどっているが、過去20年間をみると、航空会社自身が保有する航空機数はおおむね横ばいで推移。こうした実際の需要とのギャップを補ってきたのがリース会社にほかならない。

東京センチュリーが本社を置くビル(東京・秋葉原)