売上高原価率が段違いに低いのは、意外にも…

では、アパレルメーカーの「原価率」は、どうなっているのか?国内大手アパレル5社とセレクトショップのユナイテッドアローズ、ネット通販のZOZOの前年度実績で比較してみた。

ファストリテイリングしまむら青山商事ワールドオンワードHD   ユナイテッドアローズ
ZOZO
売上高 2,130,060 565,102 254,846 245,829 243,075 154,409 98,432
売上原価 1,080,123 375,631 113,154 100,941 129,498 74,901 7,946
売上高原価率 50.7% 66.5% 44.4% 41.1% 53.3% 48.5% 8.1%

(単位:百万円)

低価格商品が主力のしまむらが66.5%と突出しているが、40%から50%台半ばに集中しているのが分かる。少なくとも国内アパレル大手は「2000~3000円の洋服を1万円で売る」、つまり売上高原価率20~30%という「オイシイ商売」をやっているわけではない。

しかし、例外はあった。「原価騒動」の発端である前澤社長が経営するZOZOだ。2018年3月期の売上高原価率はわずか8.1%と突出して低い。ルイ・ヴィトンやエルメス、プラダといった超高級ブランドでも30%前後なので、アパレル関連では「濡れ手に粟(あわ)」の状態といえるだろう。

前澤社長のツイートに反発があったように、これについても反論できる。ZOZOのような製造工程や仕入れがないネット通販ビジネスの場合、売上高原価率ではなく「テイクレート」という指標での比較が一般的だ。

これは取扱高の何%が利益になっているかを示す指標で、英語では「Monetization Rate」とも呼ばれる。ZOZOの同期の取扱高(ネットでの販売総額)は2705億円。これを売上高の984億円を取扱高で割ったテイクレートは36.3%となる。売上高原価率の8.1%とは大きく違う。