コメディアニメ「秘密結社鷹の爪」の製作で知られるディー・エル・イー(以下:DLE)<3686>が、粉飾決算で揺れています。東証は特設注意市場銘柄に指定、内部管理体制が改善されない場合は上場廃止にするとしています。さらに上場契約違約金3360万円の支払いを命じました。DLEは2014年3月にマザーズに新規上場し、2016年4月に一部に市場変更しています。粉飾が行われていたのは、2014年6月期第3四半期から2018年6月期まで。東証のメンツは丸つぶれです。同社の不正内容を見ると、無茶な事業計画を無茶苦茶な手法で達成しようとする、部長たちの”努力の跡”が浮かんできます。

鷹の爪
キャラクターグッズも企画・販売


不正発覚で株価は1,443円から140円まで下落

DLEの代表・椎木隆太氏は元ソニーでベトナム・ハノイ支社長などを務め、現在のANIPLEXでコンテンツビジネスに関わっています。2003年にDLEを立ち上げ、「鷹の爪」や「パンパカパンツ」などの脱力系アニメーションに強味を持つ会社としての地位を確立しました。椎木隆太氏の娘・椎木里佳氏は女子高生社長としてよく知られています。

マザーズ上場からわずか2年で一部に指定替えするなど、アニメーション製作という不安定なフロー型ビジネスで、急成長を成し遂げたDLE。その成長力には、世間から注目が集まっていました。2015年6月に東京ガールズコレクションの商標権を8億円で買収して勢いにのっていた矢先、粉飾決算が明らかになったのです。

2018年6月期の売上高は57億1000万円と発表していましたが、実際の調査に基づく売上高は55億5300万円。こうした不正は2014年から繰り返されていました。株価は2014年4月の高値1,443円から転落、2018年12月28日はおよそ1/10の140円で引けました。

不正の内容は、架空の案件に対する企画売上を計上するなど、典型的な粉飾決算の手法です。その背景には、上場後の業績予想を何としてでも達成し、一部への市場変更を実現するという、目標達成意欲の高さがありました。不正に手を染める生々しいメールのやり取りが残されており、取締役、最高財務責任者が関与していることは明らかです。

その一部を見てみましょう。

架空売上に便利な企画費用を活用した不正スキームとは?

【架空の案件に対する企画売上を計上】

  • ▼概要
  • 2015年6月にTVアニメ「Q案件」の企画売上3900万円を計上したものの、案件そのものがないに等しい状態だった。

Q案件の企画・製作費の合計は1億9500万円。その20%の3900万円を企画費用として売上計上していたDLE。しかしながら、Q案件は製作委員会も発足しておらず、企画そのものが存在していない状態でした。これに対して、DLEの当時の経営管理部長G氏と事業部長C氏のメールのやりとりが残っています。