税務署は脱税や不正会計をどのように嗅ぎつけているのでしょう。不自然な領収書の存在やネット上に流れる噂など、さまざまな糸口があるようですが、関係者からのリーク(タレコミ)も重要な情報源となっています。関係者といっても、会社や経営者と利害が一致している人が、わざわざ自分にも不利益が生じることをするわけはありません。情報提供者は主に経営者に「恨み」や「妬み」を抱いている人が多いのです。ちょっと後ろめたいことがある方には恐ろしい事実。どんな人が情報提供者となりうるのか紹介しましょう。

恨まれているなら要注意!告発率トップ3はこんな人


ケース1 ライバル会社の経営者
シェアを奪い合っている企業同士にとって、相手が消えてくれるほど都合のいいことはありません。もしもライバル企業が不正会計や脱税をしていることを知ったならば、かなりの確率でリークされることでしょう。

ケース2 退職した元社員
体調を崩した、家庭の事情で止むを得ず、夢を持って転職した……。表面上の退職理由はさまざまですが、社員が会社を去っていくとき、その本当の胸の内は誰にもわからないものです。何かしら会社に恨みの感情を抱いて退職することは少なくありません。その社員が不正会計や脱税のネタをつかんでいれば、税務署にリークする可能性は十分にありえます。

ケース3 経営者の愛人や元愛人
リーク率が高く、税務署職員も大変興味を持って話を聞くのが、経営者の愛人による告発。愛人は経営者の不正なお金の使い道を把握している確率が高い傾向にあります。ベテラン税務職員曰く「お金に関しては、正妻よりも愛人に気を緩める経営者が多い」とのこと。脱税をしているワンマンオーナー社長が愛人との関係を悪化させたら要注意。とくに“おこずかい”を渡さなくなると、困った愛人が復讐に出ることがあるようです。

リークされた情報が事件になる確率はどのくらい?

「不正を知っているので告発したい」という人が現れたら、税務署では信ぴょう性の低そうな話でもとりあえず話を聞きます。電話での告発は恨みつらみが大半で、税務署が期待する情報は少なめ。一方、税務署に直接出向いてリークする人は、有力な情報を握っていることが多いそうです。

調査にいたる案件は10件に1件程度。しかし、税務署が調査に着手した後は、7割以上の確率で告発されることになります。最新の国税庁発表資料である法人税調査平成26事務年度(平成25年7月~同26年6月)の実績を見てみると、9万5000件の調査が行われ、何かしら問題が指摘された、いわゆる非違件数は7万件にも上ります。このうち不正会計は1万9000件で、1件当たりの平均追徴税額は179万5千円。中小企業のオーナーも気が抜けません。

不正会計のリスクを背負わないために、経営者のみなさんはまずは後ろめたい行為をしないこと、それから他人の恨みや嫉妬を買わないように気をつけましょう。

KaikeiZine 2015.12.22より転載