フランス政府が仏ルノーと日産自動車<7201>を経営統合する意向を日本政府に通達したことが明らかになった。ルノーにカルロス・ゴーンCEOの解任を迫ったのと同じタイミングでの通達で、日本政府に日産との経営統合を始めることを宣言すると同時に、この問題に政治介入しないよう「警告」したものとみられる。フランス政府主導のルノー・日産の経営統合は、いよいよ山場を迎えた。

「切り札」にならなかったゴーン逮捕

フランス政府はルノーの筆頭株主であり、日産との経営統合をルノーCEOでもあるカルロス・ゴーン被告に強く求めてきた。ゴーン被告は2018年初めまで経営統合要求に強く抵抗してきた。が、フランス政府がCEO解任をちらつかせて圧力をかけた結果、ゴーン被告は2022年までの任期中に経営統合を進めることで合意し、ルノーCEO職に留まることになる

この経営統合への合意が日産経営陣とゴーン被告との間に亀裂を生み、今回の内部告発と日産会長解任につながっていく。日産はゴーン被告の逮捕・起訴でルノーとの交渉が有利に運ぶと考えたが、そうはいかなかった。ルノーは「推定無罪の原則」をたてに、ゴーン被告の瑕疵(かし)を認めず、筆頭株主として「株」の力で日産の「独立」を抑え込みにかかってきたのだ。

ゴーンCEO逮捕ではひるまなかったルノー(同社ホームページより)

フランス政府から日本政府への経営統合通達は、いわば「宣戦布告」である。日本政府は「企業間同士の問題である」と突き放したようだが、これもフランス政府にとっては「想定の範囲内」だろう。日本政府にとって日産はすでに「外資系企業」であり、国策で保護すべき企業ではない。日本政府はルノーと日産の交渉を「見守る」立場を崩さないとみられる。