どうすればいい?日産がルノーから逃れるための「意外な処方箋」(上)はこちら

それでは、反対に日産自動車<7201>が自社株の第三者割当増資を実施して、ルノーの保有比率を下げる方法はどうか。目標は重要事項の特別決議拒否権による阻止ができなくなる33.3%以下だ。

第三者割当増資でルノー支配を排除できるか?

現在、ルノーの持ち株数は発行済株式総数の43.4%に当たる18億3183万7000株。これを33.3%以下に引き下げるには、発行済株式総数を現在よりも12億7479万5888株(30.2%)多い54億9551万1000株以上に増やす必要がある。日産にとってはコストがかからないどころか、資金調達にもなるという一石二鳥だ。

しかし、これは33.3%超の株式を保有するルノーの反対で、あっさりつぶれてしまう。第三者割当増資は既存の株主にとっては持株比率が低下するなど不利益につながるため、手続きは会社法により厳格に定められている。

30%超の増資となると法外なプレミアムを上乗せしない限り、株主総会での特別決議が必要だ。特別決議拒否権を持つルノーが賛成するはずはなく、実現の可能性はほぼない。

それどころかルノーが、これに対抗して日産株のTOBを仕掛ける恐れすらある。6.4%の株式を買い増せばルノーの保有比率は過半数を超え、日産を子会社化できるからだ。子会社となれば、取締役人事は思いのまま。日産の全役員をルノーから派遣することも可能になる。そうなっては元も子もない。

ルノーに次ぐ第2位の大株主であるチェース・マンハッタン・バンク(ロンドン)スペシャル・アカウントNo.1(保有比率3.42%)は、実質的に独ダイムラーの所有。ルノーがダイムラーを抱き込めば、過半数まで残りはわずか3%にまで縮まる。

日産にとって自社株の第三者割当増資によるルノーの影響力排除は、最も危険な選択肢といえるだろう。

揺れるルノー・日産・三菱自「3社連合」の行方は?(同社ホームページより)