大塚家具<8186>の大塚久美子社長が父の勝久会長(当時)と繰り広げた2015年の委任状争奪戦(プロキシーファイト)で久美子社長を支持した米投資ファンドのブランデス・インベストメント・パートナーズが、保有する大塚家具株をすべて売却していたことが大量保有報告書で明らかとなった。

ファンド離脱で社長辞任が現実味

ブランデスはプロキシーファイト当時に、およそ11%の大塚家具株を保有していた。しかし、プロキシーファイトに勝利した久美子社長が配当金の引き上げを発表し、株価が年初来高値の2488円を付けた2015年3月に6.12%分の大塚家具株を約30億円で売却、持株比率は4.63%まで下がった。その後、ブランデスは同社株を買い増して、持株比率は6.41%に回復していた。

今回、大塚家具株をすべて手放したことで、ブランデスは大塚家具に「見切りをつけた」といえそうだ。さらに国内独立系資産運用会社のレオス・キャピタルワークスも、2018年6月に大塚家具株の持株比率を5.99%から1.75%に引き下げている。これまで経営陣を支持してきた投資ファンドが一斉に手を引いたことで、久美子社長の退陣が現実味を帯びてきた。

久美子社長は救済のための合併や出資の条件となっている社長退任を拒否していると伝えられているが、残る大株主も大塚家具再建ために経営陣の交代を強く要求するのは確実だ。

大株主の状況(2018年6月、ブランデス除く)
氏名または名称 住所 所有株式数 発行済株式総数に対する
(千株) 所有株式数の割合(%)
株式会社ききょう企画 東京都渋谷区神山町20番21号 1,292 6.66
株式会社ティーケーピー 東京都新宿区市谷八幡町8番地 1,290 6.65
日本生命保険相互会社 東京都千代田区丸の内1丁目6番6号 1,140 5.88
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 東京都中央区晴海1丁目8番11号 1,048 5.4
株式会社SMBC信託銀行(株式会社三井住友銀行退職給付信託口) 東京都港区西新橋1丁目3番1号 570 2.94
大 塚 春 雄 埼玉県春日部市 483 2.49
東京海上日動火災保険株式会社 東京都千代田区丸の内1丁目2番1号 312 1.61
株式会社三井住友銀行 東京都千代田区丸の内1丁目1番2号 311 1.6
大塚家具従業員持株会 東京都江東区有明3丁目6番11号 285 1.47
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口9) 東京都中央区晴海1丁目8番11号 203 1.05
6,937 35.76

ただ、久美子社長個人にとって、大塚家具の経営から手を引くのは決して悪い選択ではない。製造部門を持たず、家具販売に特化した大塚家具が収益を上げるのは極めて厳しい状況になっているからだ。

最大の理由は「図体が大きすぎる」こと。店舗の賃借料と人件費の削減が売上減に追い着いておらず、大塚家具の再建には大規模なリストラが必要になる。久美子社長がブランド力の落ちた大塚家具に残ってリストラと金策に奔走しても、経営者として得られるリターンは少ない。

大塚家具有明ショールーム
広大なショールームが経営の足かせに(同社ホームページより)