神戸製鋼所<5406>の経営が揺れに揺れている。アルミ・銅製品や鉄鋼製品の品質データ改ざん問題が表面化して1カ月となるが、事態収拾の道筋は一向に見えない。新規商談は事実上ストップし、国内外500社を超えるデータ改ざん製品の納入先からは今後、損害賠償請求が予想される。八方ふさがりの状況をどう打破するのか。事業の切り売りを迫られるのか。事と次第によっては鉄鋼業界の再々編につながる可能性もある。
「信用を失うのは一瞬。取り戻すのは一生」。同業大手の関係者は金言をかみしめるように語る。不祥事はアルミ・銅製品にとどまらず、本丸の鉄鋼製品にも波及し、組織ぐるみの様相を呈する...