カルロス・ゴーン被告が日産自動車<7201>に続いて仏ルノーの会長兼CEO職の解任に追い込まれそうだ。ゴーン被告は日産からの内部通報によって東京地検特捜部に逮捕、起訴され、勾留が長引いている。ゴーン被告が容疑を全面否認していることから、勾留はさらに長期化する可能性が高い。

昨年末に保釈されたグレッグ・ケリー元日産代表取締役は海外渡航を禁止されており、ゴーン被告が保釈されてもフランスに本社があるルノーのCEO職を務めるのは難しい状況だ。

仏政府が「ゴーン切り」に踏み切った理由

ルノーの最大株主であるフランス政府は、これまで「推定無罪の原則がある」と静観していた。だがブリュノ・ル・メール経済・財務大臣は2019年1月16日、テレビインタビューで「ゴーンCEOが長期間にわたって業務に復帰できないのであれば、新体制へ移行する必要がある」と明言。「ゴーン解任」の流れが表面化した。

一部には「ゴーン被告が日産を実質支配するルノーのCEOを解任されれば、日産の最大の懸念は解消する」との見方もあるが、それは極めて甘い観測だろう。

ルノーにゴーンCEOの解任を求めたル・メール経済・財務相(仏大使館ホームページより)

フランス政府が強く求めてきたルノー・日産の経営統合に反対する急先鋒が、ゴーン被告であったことを忘れてはいけない。2017年には「フランス政府がルノーの筆頭株主であり続ける限り、日産はいかなる資本構成の変動も受け入れない」と、政府を強く牽制(けんせい)していたほどだ。

結局、フランス政府から解任圧力を受けたゴーン被告が、2018年2月に渋々ながら日産との経営統合を進めることを受け入れてルノー会長に再任された。もともと反対だったゴーン被告が、積極的に経営統合を進めるはずもない。2022年の任期ぎりぎりまで、経営統合を先送りする可能性が高かった。