ただ、一般株主にとってはTOB応募を左右するのは公募価格であることは間違いない。JIPが2022年11月に提示した価格は5200円だったが、東芝が業績見通しを下方修正したことを受け、2023年2月には4710円に引き下げた。同月に東芝は見通しをさらに下方修正したことから、最終的には4620円と1割以上も値下がりしている。
JIPが「あらゆる算定法で見て、企業価値を正しく反映した公募価格である」と主張したところで、大半の一般株主が「安すぎる」と判断すればTOBは成立しない...
コロナ関連倒産の急増が懸念されている。2023年3月以降にコロナ融資(実質無利子、無担保融資)の返済が本格化し、資金に余裕のない中小企業による「あきらめ倒産」が見込まれるためだ。