~コロナ禍や仕入、輸送費の高騰が影響~
冨士印刷(株)(千代田区)は3月13日、東京地裁に破産を申請した。
申請代理人は金井暁弁護士(大知法律事務所、千代田区麹町2-3)ほか4名。
負債総額は債権者約310名に対し約43億円。
1946年に個人創業、70年以上の業歴を持つ老舗企業。印刷・インライン加工を主力とした総合印刷、カタログギフトの企画・印刷、ノベルティグッズ等の企画・販売促進などを手掛けていた。製造は埼玉県加須市内に設置した埼玉工場で展開し、印刷から製本まで一括受注できる点などを強みとして、大手印刷業者などを得意先にピークの1996年6月期は売上高55億1386万円をあげていた。
しかし、その後はペーパレス化に伴う紙需要の減退により、減収に歯止めがかからなかった。このため、同業他社との差別化や、自社工場での内製化の推進を目的に最新機器を導入するなど設備投資を実施する一方、資産売却による有利子負債の圧縮にも取り組んでいた。
こうしたなか、近年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて受注環境が悪化していた。2022年6月期は売上高約22億6000万円まで落ち込んだほか、仕入価格や輸送費用の高騰が続いたことから利益率がさらに低迷。資金繰りも限界に達し2023年1月4日、事業を停止して破産申請の準備に入った。その後、再度の資金ショートを起こし同年1月11日には行き詰まりを表面化していた。
※冨士印刷(株)(TSR企業コード:360086268、法人番号:4010001121823、千代田区神田三崎町3-4-10、設立1967(昭和42)年7月、資本金4000万円)
日本電灯電力販売は2022年12月21日、東京地裁より破産開始決定を受けた。2022年の新電力事業者の倒産は12月に破産したシナジアパワーに次いで8社目となった。