老舗の総合印刷業「冨士印刷」が破産申請 負債総額17億円

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~コロナ禍や仕入、輸送費の高騰が影響~

 冨士印刷(株)(千代田区神田三崎町3-4-10、設立1967(昭和42)年7月、資本金4000万円、秋元裕社長)は1月4日、事業を停止し、東京地裁への破産申請を金井暁弁護士(大知法律事務所、千代田区麹町2-3、電話03-6261-2501)ほか4名に一任した。
 負債総額は約17億円。
 ※TSR企業コード:360086268、法人番号:4010001121823

冨士印刷の入居していたビル
冨士印刷の入居していたビル ©東京商工リサーチ

 1946年に創業し、70年以上の業歴を持つ老舗企業。印刷・インライン加工を主力とした総合印刷やカタログギフトの企画・印刷、ノベルティグッズ等の企画・販売促進などを手掛けていた。製造は埼玉県加須市内の自社工場で展開し、印刷から製本まで一括受注できる点などを強みとして、大手印刷業者などを得意先に、1996年6月期には売上高55億1386万円をあげていた。
 しかし、その後はペーパーレス化に伴う紙需要の減退により、減収に歯止めがかからなかった。このため、同業他社との差別化を目指し、最新機器の導入など設備投資を実施する一方、資産売却による有利子負債の圧縮にも取り組んでいた。
 こうしたなか、近年は「新型コロナウイルス」感染拡大の影響を受けて受注環境が悪化。2022年6月期は売上高が約22億6000万円まで落ち込んだほか、仕入価格や輸送費用の高騰が続いたことから利益率がさらに低迷。ここにきて資金繰りも限界に達し、事業継続を断念した。

東京商工リサーチ「TSR速報」より

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