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東芝のフリー・キャッシュフローが500億円のマイナスに

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※画像はイメージです

フローはマイナス6,700億円

 東芝は現在、半導体子会社の東芝メモリ(株)(TSR企業コード:023477687、東芝の議決権保有割合100%)の過半売却、スマートメーター製造のランディス・ギア(スイス、同60%)の売却を検討している。だが、まだ不確定要素が多く、2018年3月期の業績見通しはこれらを連結対象として公表した。

  それによると、売上高は4兆7,000億円、営業利益は2,000億円の黒字を見込んでいる。想定為替レートは100円に設定した関係で、売上高で2,000億円、営業利益で700億円の悪化要因が生じる。 

 FCFは、WHのチャプター11申請による親会社保証の一部履行や半導体メモリ事業での設備投資から、マイナス6,700億円の見通しを立てている。こうした対応について平田専務は、「メイン、準メインの3行に4,000億円、その他7行に2,800億円の借入枠を取っている。また、東芝メモリの売却をスムーズに行う」とコメントした。

東芝メモリ売却の行方

 東芝は、債務超過の解消と資金繰り安定化に向け、東芝メモリを早期に売却する意向だ。  ただ、5月14日に半導体メモリ事業の協業先であるウエスタンデジタル(アメリカ、以下WD)が、国際仲裁裁判所に売却の差し止めを申し立て、事態は混迷を深めている。

  東芝は、4月1日付で東芝メモリを設立し、半導体メモリ事業の子会社持分の移管を進めてきた。大半の移管は進んでいるものの、Flash Forward合同会社(TSR企業コード:522143881、三重県)の移管は完了していない。合同会社は、業務執行社員が出資者となる。Flash Forwardの業務執行社員は、東芝とサンディスクフラッシュ・ビーヴィで、持分はそれぞれ50.1%、49.9%だ。 

 5月10日に東京商工リサーチの取材に対して東芝担当者は、「登記上の(移管)手続きは完了していないが、オペレーションの移管は順調に進んでいる。登記上の移管手続きがいつ完了するかはコメントできない」と回答していた。5月16日午前10時現在、登記変更は完了していない。

Flash_Forwardの商業登記(一部加工)

 東芝メモリの2次入札は5月19日に締め切られる予定だ。5月15日の会見で綱川社長は、締め切り日について「変更の予定はない」と述べている。ただ、WDとの対立混迷が入札に影響を与える可能性も排除できず、当面は流動的な状況が続きそうだ。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報 全国版」2017年5月17日号掲載の「Weekly Topics」より再編加工)

本記事は、東京商工リサーチ「データを読む」より 転載しております

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