誰もが一度は食べたことのあるマクドナルドのハンバーガーに牛肉100%のパティを供給している企業が東証1部上場のスターゼン<8043>だ。世界で初めてのロースハムを作ったローマイヤ社のハムも同社の商品であり、スーパーの精肉売り場に並ぶパック売りの商品にも、スターゼンの商品が提供されている。社名は大々的に出ないものの、私たちの食生活に密接に関わりのある企業だ。スターゼンの歴史とM&A戦略を分析する。

【企業概要】食肉流通の近代化図る

 設立は1948年、全国畜産協同組合を母体に前身となる「全国畜産株式会社」設立が始まり。戦後、生畜の売買から米軍への牛枝肉(骨がついたままの肉)納入を開始し、その後輸入肉業務への進出、枝肉の遠距離冷蔵輸送の開始から部分肉流通へと食肉流通の近代化をはかってきた。ハム・ソーセージ事業へも進出し、1962年に東証2部へ上場。1972年にはマクドナルド向けのハンバーガーのパティを製造する、千葉工場を新設し、以来提供を続けている。

 国内・海外ともに展開をし、1977年に東証1部へ上場を果たした。スターゼンは23社の子会社と8社の関連会社からなる持ち株会社であり、業務用食肉の卸売国内最大手企業である。

【経営陣】中津濱氏、2012年に社長就任

 現社長の中津濱健氏は1942年にスターゼン入社。販売本部長、ローマイヤ社長などを経て2012年にスターゼン社長に就任。62歳。

【株主構成】三井物産と資本提携

株主名称 保有株式数
(千株)
持ち株比率(%)
三井物産 1,554 16.39%
日本トラスティ・サービス信託銀行 352 3.71%
三井住友銀行 324 3.42%
農林中央金庫 304 3.21%
三菱東京UFJ銀行 279 2.94%
スターゼン社員持株会 235 2.48%
鶉橋興産 234 2.47%
クリアストリームバンキングエスエー 163 1.72%
みずほ銀行 160 1.69%
横浜冷凍 153 1.61%
合計 3,763 39.68%
2016年9月末時点、有価証券報告書に基づき作成

 2016年3月31日時点では2.71%の保有比率であった三井物産<8031>が、株式の16.39%を保有している。三井物産は、飼料原料の輸入・販売、関係会社を通じた配合飼料の製造販売、鶏肉の加工・販売、種豚の生産・販売等の分野で事業展開をしており、既存事業のさらなる強化のため、2016年5月にスターゼンと資本提携をした。スターゼンの実施した第三者割当増資を引き受けるとともに、スターゼンの保有する自己株式を合計約43億円で取得。三井物産は食肉事業分野の強化を図る。スターゼンは三井物産のグローバルネットワークを活用した食肉事業の共同展開を目指し、資本提携をしたものである。