「マツキヨココカラ&カンパニー」など統合新会社、10月から相次ぎ始動

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「マツキヨココカラ&カンパニー」が10月1日スタート(写真は都内の店舗)

10月からの2021年度下期入りに合わせ、上場企業による統合新会社が相次いで動き出す。業界順位の変動にもつながるだけに、その動向は要注目だ。

「マツキヨココカラ」で三つ巴に

ドラッグストア業界では、6位のマツモトキヨシホールディングス(HD)と7位のココカラファインの経営統合で「マツキヨココカラ&カンパニー」が誕生する。売上高は単純合計で約9200億円(2021年3月期)で、業界トップのウエルシアホールディングスに次ぐ2位に浮上する。

業界内では現在、ウエルシアHDと2位のツルハホールディングスが売上高9000億円台前半で拮抗しているが、マツキヨ・ココカラ連合がこの間に割って入る形だ。業界初の「1兆円企業」を目前に、三つ巴の戦いとなる。

マツキヨHDは2017年3月期まで最大手だったが、その後、順位を大きく下げた。規模優先にブレーキをかけ、同社の売りであるPB(自社企画)商品などに代表される質の追求に転換し、収益率で業界トップクラスを実現。今回の統合で名実ともに「日本一に返り咲く」(松本清雄社長)のが悲願だ。

マツキヨココカラ&カンパニーは社長にマツキヨHDの松本社長、副社長にココカラの塚本厚志社長が就任。傘下に中間持ち株会社として「マツモトキヨシグループ」「ココカラファイングループ」を配置する。店舗数は合計で3200店舗を超える。2026年3月期に売上高1兆5000億円を目標に掲げ、アジア展開も加速する。

1兆円をうかがう統合新会社の誕生はウエルシアHD、ツルハHDはむろん、現在3位~5位のコスモス薬品、サンドラッグ、スギホールディングスのM&A意欲を改めて刺激することになりそうだ。

「マツキヨココカラ&カンパニー」が本社を置くビル(東京・御茶ノ水)

前田建設主導でグループ3社統合

準大手ゼネコンの前田建設工業とその傘下で道路舗装2位の前田道路、建設機械関連の前田製作所の3社は10月1日に共同持ち株会社「インフロニア・ホールディングス」を発足させる。親子上場を解消するとともに、持ち株会社の下に3社を並列に配置し、グループの経営資源を有効活用する。

統合新会社の目指す企業像は「総合インフラサービス企業」。財政逼迫で新規の国内建設投資は縮小に向かう一方、公共インフラの維持管理・修繕や脱炭素に向けた取り組みなどで新市場が拡大するとみており、グループの総力を結集する。

中長期経営ビジョンでは2030年度に営業利益1000億円以上(22年度計画は505億円)、純利益700億円以上(同360億円)などを目標数値として打ち出した。

廃棄物処理業界、「TRE」が発進

廃棄物リサイクル・処理業界では、タケエイとリバーホールディングスの上場2社が統合し、「TREホールディングス」がスタートする。売上高は両社単純合計で700億円強。売上高でなお倍以上の開きがあるものの、アサヒホールディングスに次ぐ業界2位に躍進する。

廃プラスチックの廃棄物発電、新たなリサイクル技術の開発を推進するとともに、海外展開も視野に入れ、1000億円企業の早期実現を目指す。

「フルサト・マルカホールディングス」を発足させるのは機械商社のフルサト工業とマルカ。大阪市に本社を置く同業同士が手を組んだ。主力品目の工作機械はメーカーの重複が少なく、取扱製品群を拡充しやすい利点があるほか、ロボットを用いた自動化ラインの提案力強化や海外販路の開拓を推し進め、競争力を高める。

19都道府県に出ているコロナ対策の緊急事態宣言は9月30日でひとまず全面解除の運びとなった。コロナ後を見据え、統合新会社の経営陣の手綱さばきが注目される。

文:M&A Online編集部

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