売上が伸び悩むサーティワン、経費削減策で生き残りをかける

alt
サーティワンアイスクリーム アピタテラス横浜綱島店

B-Rサーティワンアイスクリーム<2268>が9月21日に2021年12月期の業績予想の上方修正を発表しました。営業利益を前回予想の7億6,000万円から22.4%増となる9億3,000万円、純利益を4億6,000万円から39.1%増となる6億4,000万円にそれぞれ引き上げました。Webを活用した店舗指導やテレワークを推進し、旅費や交通費、会議費の削減につなげました。しかし、肝心の売上高は187億5,000万円で前回予想を据え置いています。サーティワンは慢性的な売上高の伸び悩みに陥っており、アイスの市場規模拡大についていくことができていません。その兆しは新型コロナウイルス感染拡大前から顕著に出ていました。

この記事では以下の情報が得られます。

・サーティワンの業績
・アイスの市場規模の推移

2019年から出店攻勢で勝負に出るが

サーティワンはフランチャイズ主体のビジネスを展開しています。2020年12月末の段階で総店舗数は1,210。そのうち、直営店は6店舗でフランチャイズ店は1,204です。サーティワンは2000年4月にフランチャイズ契約内容の大幅な見直しを行い、加盟店へのアイスクリーム卸売価格を31%引き下げる代わりに、広告宣伝費として小売売上高に対して3%を徴収する仕組みを導入しました。それとは別にロイヤルティ5%が小売売上高に課されます。同じくフランチャイズ主体のコメダホールディングス<3543>のロイヤルティは、1席あたり1,500円の定額制です。サーティワンは小売売上高への連動性が高いモデルを採用しています。

サーティワンの総売上高は2019年12月期に前期比3.8%減の193億1,700万円となりました。この年に店舗数は9店舗増加しています。2018年3月、4月、10月はソフトバンクとのコラボレーション企画「SUPER! FRIDAY」を立ち上げました。アイスクリームが1個無料になるというものです。2018年はこのキャンペーンによって客数を伸ばすことができました。2019年はその反動減とも考えられますが、キャンペーンがなかった2017年12月期と比較しても総売上高は2.4%の減少となっています。2017年と2019年で店舗数は変わりません。総売上高を店舗数で除した1店舗売上は1,690万円から1,650万円に低下しています。

■サーティワン業績推移(単位:百万円)

2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期 2019年12月期 2020年12月期
総売上高 19,706 19,790 20,086 19,317 17,441
前期比 106.2% 100.4% 101.5% 96.2% 90.3%
営業利益 486 526 446 515 599
前期比 - 108.2% 84.8% 115.5% 116.3%
営業利益率 2.5% 2.7% 2.2% 2.7% 3.4%
店舗数 1,179 1,174 1,165 1,174 1,210
1店舗売上 16.7 16.9 17.2 16.5 14.4

決算短信より筆者作成

決算短信より筆者作成 店舗数は右軸

サーティワンは収益力を上げるため、一時不採算店の撤退を進めていました。2018年の店舗数は1,165。2016年と比較して14店舗減少しています。しかし、2019年からは増加に転じています。それでも売上高を引き上げることはできなかったのです。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で商業施設などへの客足が遠のき、売上高は前期比9.7%の減少となりました。

NEXT STORY

夏本番!アイス関連銘柄の決算書分析

夏本番!アイス関連銘柄の決算書分析

2017/08/02

暑さの本番を迎える時期である今回は、アイス関連企業の決算内容を概観し、少しでも涼しい気分を味わっていただければと思う。乳製品アイスが主力の森永乳業<2264>、あずきバーなど冷菓が主力の井村屋グループ<2209>、全国で店舗展開するB-Rサーティワンアイスクリーム<2268>という3タイプのアイス関連企業の決算を取り上げたい。