金子眼鏡をフォーナインズとの経営統合に導いた日本企業成長投資とは

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カネコオプチカル グランツリー武蔵小杉店

1958年4月創業で、国内63店舗、フランスに2店を舗出店する金子眼鏡(福井県鯖江市)が、999.9ブランドで眼鏡店を展開するフォーナインズ(東京都世田谷区)と経営統合し、ジャパン・アイウェア・ホールディングス(東京都世田谷区)が発足しました。代表取締役には金子眼鏡の代表・金子真也氏と、フォーナインズの代表・飯村祐一氏が就任。二つのブランドは今後も継続し、生産体制も現行の状態を維持。海外市場への進出を強化するとしています。

2019年10月に金子眼鏡に出資をしていたのが、投資ファンドの日本企業成長投資(東京都千代田区)です。日本を代表するラグジュアリー眼鏡ブランドを経営統合へと導いた日本企業成長投資とはどのような会社なのでしょうか。この記事では以下の情報が得られます。

・日本企業成長投資の概要
・出資先一覧

ベインキャピタル出身者が中心となってファンドを設立

日本企業成長投資は2017年に設立されました。創業者でパートナーの秋里英寿氏は東京大学大学院を卒業後、ボストンコンサルティンググループの東京事務所、名古屋事務所、ドバイ事務所などでプロジェクトマネージャーを務めました。

2010年10月に靴の通販サイトを運営するロコンド<3558>を創業し、代表を務めています。現在の社長である田中裕輔氏に事業を引き継いだ後、ベインキャピタルで企業投資に従事。自らの起業経験を生かし、国内の有力な中堅企業の成長支援を目的として日本企業成長投資を立ち上げました。

共同創業者は山下修平氏です。同氏の祖父は実業家で、アラビア石油を設立した「アラビア太郎」こと山下太郎氏です。山下修平氏は慶応大学卒業後、日本興業銀行に入社。2000年の米国留学を機に物流不動産に興味を持ち、2009年に公共ロジスティック(現シーアールイー<3458>)を設立しました。現在も同社の代表取締役会長を務めています。

パートナーの横山淳氏は三菱信託銀行に入社後、オラクル、マッキンゼーアンドカンパニーに移籍しました。2008年にベインキャピタルに入社。ドミノ・ピザジャパン取締役、すかいらーく取締役、雪国まいたけ取締役などを務めました。

スタートアップや物流、外食、消費財など、経営陣が幅広い経験を積んでおり、層に厚みがあることが特徴となっています。

日本企業成長投資の名を一躍世間に広めたのが、2019年12月のクラシアン(横浜市)の買収です。クラシアンは水回りの国内大手で、2016年からオリックス<8591>の傘下となっていました。買収額は200億円程度とみられており、規模の大きい案件となりました。クラシアンはホームセンターなどとの提携によって営業拠点を拡大しており、共同で商品開発も行っています。出資先は多岐にわたっています。

■日本企業成長投資の出資先一覧

企業名 事業内容 投資時期
ネクサスケア 有料老人ホーム・シニア住宅の企画・建設・運営、訪問介護事業 2018年1月
湯快リゾート 温泉旅館・リゾートホテル展開 2019年5月
サング 飲食店の経営 2019年9月
金子眼鏡 眼鏡の製造小売業 2019年10月
クラシアン 水回りの緊急メンテナンス、給排水設備工事、住宅設備機の販売、施工、住まいのリフォーム 2019年12月
セラヴィリゾート泉郷 リゾートホテル、ペット同伴型ホテル、コテージを運営 2020年11月
ピーロート・ジャパン 高級ワインの販売、イベント、ワインレストランを運営 2021年6月
Japan Eyewear Holdings 高級眼鏡ブランドの運営グループ企業 2021年9月

ホームページの情報をもとに筆者作成

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