東京・浅草の老舗すき焼き店「ちんや」のブランドを取得したWDIってどんな会社

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写真はイメージです

WDI<3068>は、1880年に東京・浅草で料理屋として創業した後、1903年にすき焼き専門店となり、100年を超える歴史を持つ、ちんや(東京都台東区)から「ちんや」ブランドを取得する。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで「ちんや」が休業に追い込まれたことから、WDIが「ちんや」ブランドを譲り受けるもので、同社では「当社の抱える多彩な食文化の経験をもとに、ちんやという歴史あるブランドを守り、さらなるブランド力の向上と拡大を目指す」としている。

WDIとは、一体どのような会社なのか。

カプリチョーザ、ハードロックカフェなどを運営

WDIは1954年に中央興行を都内に設立し映画館経営に乗り出したのが始まりで、1972年に「ケンタッキーフライドチキン」を開店し外食事業に参入して以降は、日本をはじめ世界各地でレストランの運営などを手がけている。

1983年にロック音楽を聴きながら食事ができるアメリカンレストラン「ハードロックカフェ」を、1985年にイタリアンレストラン「カプリチョーザ」を開店し、2006年にジャスダック証券取引所に株式を上場した。

その後2009年に持ち株会社制に移行し、2010年に大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)への上場を果たした。

現在「カプリチョーザ」「ハードロックカフェ」のほかハワイアンレストラン「エッグスンシングス」、ニューヨーク発祥のレストラン「サラベス」、焼肉レストラン「巨牛荘」、ステーキハウス「ウルフギャング・ステーキハウス」など約20ブランドを展開している。

2期連続の営業赤字に

2022年3月期は売上高195億円(前年度比23.2%増)、営業損益は4億円の赤字(前年度は14億2300万円の赤字)、経常損益は4億5000万円の赤字(同14億7700万円の赤字)、当期利益は5億円(前年度比70.3%減)を予想する。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響などもあり、2期連続の営業赤字となるものの、赤字幅は縮小しており、当期利益は固定資産売却益などを計上した前年度に続き2期連続の黒字を確保できる見込み。

店舗については居抜き物件(内装や設備、什器などが残ったままの物件)やM&Aによる出店を積極化させる計画で、既存店舗網の拡充とともに新たな業態や事業領域にもアクセルを踏むとしている。

今回の老舗すき焼き店ブランドの取得もこの方針に沿ったもので、今後どのような形でアクセルを踏み込むのか。関心が集まりそうだ。

【WDI業績推移】単位:億円、2022年3月期は予想

2020年3月期 2021年3月期 2022年3月期
売上高 298.76 158.15 195
営業損益 4.06 △14.23 △4
経常損益 3.6 △14.77 △4.5
当期損益 △6.22 16.85 5


WDIの沿革
1954 中央興行を設立し、 映画館経営を開始
1971 日本ダブリューディー·アイに社名を変更
1972 「ケンタッキーフライドチキン六本木店」開店により外食事業に参入
1983 「ハードロックカフェ東京」を開店
1985 「カプリチョーザ 下北沢店」を開店
2006 ジャスダック証券取引所に株式を上場
2003 WDIに社名を変更
2009 持ち株会社制に移行
2010 大阪証券取引所JASDAQ(スタンダード)に上場
2021 東京・浅草の老舗すき焼き店「ちんや」のブランドを取得

文:M&A Online編集部

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