トヨタ人身事故で浮上した自動運転車最大のリスクは「人間」?

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選手村で接触事故を起こした自動運転車「e-Palette」(同社発表資料より)

「あのトヨタでもダメなのか…」と、自動運転車開発者が肩を落とす事態が起きた。2021年8月26日にトヨタ自動車<7203>が東京パラリンピック選手村で運行している自動運転車「e-Palette(イーパレット)」が、視覚障害の柔道日本代表選手に接触したのだ。

オペレーターの誤判断で事故に

同選手は転倒して頭などに全治2週間のけがを負い、28日の試合を欠場した。自動運転車が身体障害者のパラリンピック選手を巻き込んだ事故だけに、大きく報じられている。「自動運転技術は実用化の段階にない」との報道も多いが、現在発表されている事故の状況を見ると、リスクは「自動運転車」ではなく乗っている「人間」にある可能性も出てきた。

事故を起こした車両にはトヨタ社員2人がオペレーターとして乗り込み、うち1人が発進・停止のボタン操作を、もう1人がドアの開閉を操作していた。自社メディアで事情説明した豊田章男社長によると、選手村内のT字路でイーパレットが右折した際に横断歩道前でいったん自動停止したものの、オペレーターが手動操作で発進した直後に横断しようとした選手と接触したという。

豊田社長は選手村でイーパレットを視察、事故防止を呼びかけていた=最前列白い上着を着用(トヨタイムズより)

そうなると問題は正しく停止した自動運転車ではなく、手動で発進した人間の判断ミスということになる。一般の自動車だったとしても、同じ状況では事故が起きたことになる。トヨタは車両の走行警告音の音量を上げるなどの緊急対応を取るが、これは静かすぎて歩行者が車両の接近に気づかないという電気自動車(EV)の特性によるもので自動運転とは関係がない。

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