バイオベンチャーのテラ<2191>は、2020年4月以降に適時開示した60件のうち、4割にあたる24件で一部、または全部が事実と異なっている、またはそのおそれがあると発表した。株式取得を発表した会社の存在が確認できないケースもあるという。
2020年8月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比5件減の68件だった。前年を下回るのは4カ月ぶり。前月比では2件減った。新型コロナの影響下でも増勢が続いていたM&A市場が踊り場を迎えたかどうかを判断するうえで9月の動向が注目される。
12月のM&A市場は「売り」が勢いづいた。上場企業による子会社・事業の売却は18件に上り、年間最多となった。年末休み前の最終週(23~27日)だけで12件が集中。売却対象の子会社・事業の多くは不振状態にあり、“年末大決算”の様相を呈した。
10月のM&Aは前年同月比7件減の74件となり、3カ月連続で前年を下回った。単月ベースでは前月比で5件増え、今年3番目でなお高水準を維持している。このままで推移すれば、2009年以来10年ぶりに年間800件台に乗せる公算が大きい。
9月のM&Aは前年同月比6件減の69件となり、2カ月連続で前年を下回った。活況が続いてきたM&A市場の変調の兆しなのかどうかが気になる。1~9月の累計では602件と前年同期を50件強上回り、2009年以来10年ぶりの高水準にある。
子会社化や事業譲渡で基本合意しながら、買収価格などの条件面で折り合わず、M&Aが中止になるケースが広がりを見せている。買収中止は今年すでに6件と、昨年(3件)の倍に増えている。1月に延期を発表したまま、半年以上も協議継続中の案件もある。
2019年上期(1~6月)の企業別のM&A件数はソフトウエアのテスト事業を主力とするSHIFTが4件で最多だった。3件はテレビCM制作最大手のAOI TYO Holdings、アパレルのワールドなど10社を数える。2件だと38社に上った。
調剤薬局事業を拡大中のソフィアホールディングスが1週間前に公表したばかりの調剤薬局の子会社化を中止すると発表した。重大な表明保証違反に該当する事項が確認されたという。今回を含めて年明け後の買収撤回はすでに3件と昨年の年間件数に早くも並んだ。
ブリヂストンは22日、オランダ企業買収に関する「東証適時開示」に3カ所の訂正があったと発表した。買収金額の単位、代表者の役職名、問い合わせ先の広報部長名に誤りがあった。1000億円超の大型M&Aながら、ケアレスミスが3カ所見つかるのは異例。
東証「適時開示」ベースで、2018年12月の買収件数は63件。日立製作所がスイスの重電大手ABBの送配電事業を7140億円で取得するのを筆頭に、日本企業による海外M&Aは12件。再建中のパイオニアは香港投資ファンドの傘下入りが本決まりに。