「頼みの綱」のトヨタも…

だが、そのEVは業務・資本提携するトヨタ自動車<7203>頼みだ。マツダは2017年10月にトヨタと同社傘下のデンソー<6902>を加えた3社でEVの共同技術開発を手がけるEV C.A. Spirit(名古屋市)を設立した。が、同社は2020年6月末で業務を終え、年度内に清算する。その後の計画は白紙だ。

マツダとしてはトヨタとのEV共同開発を期待してEV C.A. Spiritに参加したが、その内容は基礎的な技術の共有にとどまり、具体的な製品づくりにまでは広がらなかった。「共同開発した技術の車種導入については、今後各社が検討していく」(EV C.A. Spirit関係者)と突き放された格好だ。

トヨタはSUBARU<7270>とEVスポーツ多目的車(SUV)を共同開発する方針を発表しているものの、マツダとの計画はない。「MX-30」はマツダの独自開発だが、コストがかかる新たなEVの追加開発は厳しい。マツダ自身も「MX-30以降のEV開発は未定」としている。

仮にトヨタが共同開発に前向きだとしても、欧州市場から締め出されかねないマツダとの「温度差」は大きい。トヨタはHVの世界最大手であり、前述の調査では二酸化炭素排出量平均が同97.5グラムと、2位仏シトロエンの同106.4グラムを10グラム近く引き離す断トツのトップだ。マツダほど環境対策に切羽詰まっているわけではない。

だからトヨタがマツダの事情をくんで、EVの共同開発を加速する可能性は低いだろう。ホンダ<7267>が米ゼネラル・モーターズ(GM)からEV供給を受けるために業務提携したように、マツダも新たなEV開発のパートナーを早急に見つける必要がありそうだ。

文:M&A Online編集部