小僧寿しが2018年12月期に10億4700万円の債務超過となり、上場廃止猶予期間に突入しました。今期中に債務超過解消できなければ、上場廃止となります。

業績が急悪化した最大の要因は、2018年に買収したデリズののれん7億9000万円を全額減損したこと。小僧寿しは、Webサイトに強味を持つデリズとのシナジー効果を見込んでいましたが、わずか1年で撃沈してしまいました。

この記事は、今回の元凶となったデリズの動きを追いながら、小僧寿しが2億8000万円もの高値で買収した理由に迫るものです。

デリズ
キャッシュレスで利便性を高め、顧客を獲得するデリズ


1000万円で売られたデリズを翌年2億8000万円で買収した小僧寿し

デリズはカレーやとんかつなど、複合的なデリバリーサービスを展開している会社です。宅配代行事業も行っており、契約店舗数は全国で250。すしやピザなど、画一的だったデリバリーサービスに革命を起こしました。

業績はこのようになっています。

▼デリズの業績

決算2013年2月期2014年2月期2015年2月期2016年2月期2017年2月期2018年2月期
売上7億6500万円9億100万円10億1200万円2億6900万円7億4000万円4億8300万円
営業利益8600万円2500万円2400万円2万円3300万円2300万円
純資産500万円600万円1700万円△3億9500万円△3億9500万円△3億7700万円

夢の街小僧寿しの資料より筆者作成

大型の事業投資に失敗したのか、2016年2月期に突然3億9500万円もの債務超過に陥っています。そこから、数奇なM&Aを繰り返すことになります。

債務超過に陥ったばかりの2016年5月に、夢の街創造委員会<2484>が5000万円で買収しました。そして、2017年4月にデリズ代表の井土朋厚氏が、1000万円で会社を買い戻しています。さらにその翌年の2018年4月に、小僧寿しが簡易株式交換(2億8000万円相当)で買収したのです。

結果、小僧寿しはM&Aによる現金の流出は伴わなかったものの、のれんを7億9000万円積むことになりました。デリズは債務超過状態であり、1000万円で売却されたばかりの企業です。小僧寿しは、なぜデリズをこれほどの高値でつかんだのか。

おそらく、債務超過解消を狙ったものだったと予想できます。デリズは株式交換により、小僧寿し株を300万株保有しています。仮に140円で売り抜けることができれば、4億2000万円が調達できます(実際、デリズの買収により、小僧寿しの株価は70円前後から一時161円まで急上昇しました)。

しかし、これはデリズのメリット。株式交換で現金が出ていかなかったとはいえ、巨額ののれんが計上されます。小僧寿しにとって高値でつかむ理由にはなりません。

背景にはデリズのIPOが潜んでいたと考えられます。同社はかねてより上場をすると謳っていました。上場によるデリズ株上昇の期待感をあおり、小僧寿しを誘ったものと考えられます。上場のためには、デリズの債務超過解消が緊急の課題でした。