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ブロンコビリーの業績徹底検証!高利益神話は限界に達したか?
2019/02/15
ブロンコビリーの株価下落に拍車がかかっています。前期の売上高は前期比13%増の224億3200万円。経常利益は同6%増の26億6900万円としっかり。今期も売上高が9%、経常利益5%増を予測しています。好業績下の株価下落の原因は?
すかいらーくホールディングス<3197>の業績に異変が起こっています。2018年12月期の売上高は前期比2%増の3663億6000万円でしたが、営業利益は同18.7%減の228億5700万円でした。2019年12月期の営業利益も3.7%減の220億円と減益予想。実はこれで3期連続の減益となります。背景には、人件費がじわじわと上昇して、利益を圧迫していることがあります。都市部を中心にアルバイトの単価は上がり、定着しづらい状況が続いています。外食企業は、人件費の高騰を抑える抜本的な取り組みが必要になりそうです。
まずは業績を見てみましょう。注目したいのは、赤字になっている減益の箇所。1~2%で増収が続いていますが、減益が止まりません。
決算期 | 2015年12月 | 2016年12月 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高 | 3511億4600万円 | 3545億1300万円 | 3594億4500万円 | 3663億6000万円 | 3700億円 |
前年同期比 | 3.28%増 | 0.96%増 | 1.39%増 | 1.92%増 | 0.99%増 |
営業利益 | 278億600万円 | 312億4900万円 | 281億300万円 | 228億5700万円 | 220億円 |
前年同期比 | 28.48%増 | 12.38%増 | 10.07%減 | 18.67%減 | 3.75%減 |
※決算報告書より筆者作成
すかいらーくは、極めて厳格な原価コントロールが効いています。2018年のような天候不順があっても、30%の水準で大きな変化はなく推移しました。驚異的な原価マネジメントです。
▼原価率
2014年12月期 | 2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | 2018年12月期 |
30.06% | 30.32% | 30.03% | 30.13% | 30.41% |
※有価証券報告書より筆者作成
しかし、人件費はこのようにきれいにはいきませんでした。
▼人件費率
2014年12月期 | 2015年12月期 | 2016年12月期 | 2017年12月期 | 2018年12月期 |
32.19% | 32.48% | 33.08% | 33.26% | 34.30% |
※有価証券報告書より筆者作成
5期連続で上昇を続けており、直近では34%を超えました。すかいらーくは人件費単価の上昇コストとして19億円を計上しています。新規出店による人件費増加ではなく、単価そのものが増加傾向にあるのです。今期も、同じく人件費単価の上昇分として19億円を見込んでいます。人件費単価の上昇は止まりません。
ブロンコビリーの株価下落に拍車がかかっています。前期の売上高は前期比13%増の224億3200万円。経常利益は同6%増の26億6900万円としっかり。今期も売上高が9%、経常利益5%増を予測しています。好業績下の株価下落の原因は?