LINEで日時や人数を入力するだけで飲食店の予約ができるサービス「ビスポ!」が8月28日にリリースされました。このサービスの一番の特徴は、「ワインにこだわる店」などのコメントを入れると、自動でユーザーの要望に沿ったお店を探し、空席状況を調べてくれるというもの。飲食店探しの「コンシェルジュ」に近いサービスとなります。Twitterなどで話題となり、利用者が殺到。一時、サーバーがダウンするほどの注目を集めました。使う側にとってメリットの高いこのサービス、実は飲食業界にとっても期待度の高いものになるのではないでしょうか、という話です。この記事では以下の情報を得ることができます。

  • ①「ビスポ!」が出てきた背景
  • ②飲食店の集客事情

                                


LINEと本田圭佑氏のファンドが出資を決めたBespo

まずは「ビスポ!」のサービス内容から説明します。このサービスを一言で表現すると、「LINE上で好みを伝えると最適なお店を見つけてくれるもの」です。使い方は簡単です。LINEで「ビスポ!」を友達登録し、業態(和食、イタリアンなど)の条件や日時、人数を入力します。最後に自分の好み(「天ぷらにこだわる」、「ワインが豊富」など)を入れると、最適なお店を見つけて席状況を確認してくれます。画期的なこの仕組みに、ゾゾタウンのコミュニケーションデザイン室長の田端信太郎氏らがツイート。サーバーがダウンするほどの盛り上がりをみせました。

ビスポ!
「ビスポ!」のLINE画面

現在主流のお店探しは、「エリア+業態」などでWeb検索。ほとんどのケースで、上位表示されたものをクリックして選んでいます。この問題点は、ユーザーの好みと、検索エンジンで上位表示されたお店とのマッチングが、必ずしも上手くいかないこと。上位表示されたお店に行って、自分のお店のイメージと違っていたという経験のある方も多いはずです。

「ビスポ!」は通常の検索で見つけられない最適なお店へと導いてくれるのです。夢のようなサービスですが、問題点があります。提携先店舗の問題です。全国に広がるすべての店舗と繋がっていれば最高ですが、2018年8月の時点で50店舗。エリアは東京の港区と中央区に限定されています。開発をしたBespoは、2018年内に東京全域、神奈川までエリアを広げ、1000店舗拡大、ユーザー数10万人獲得を目指しています。

同社はLINE<3938>が組成した「LINE Ventures」と、本田圭佑氏の「KSK Angel Fund」から出資を受けています。LINEは2015年にRettyと提携して「LINEグルメ予約」というサービスを提供していました。飲食店探しから予約手続きまでが、すべてLINE上で行えるというもの。

しかしながら、サービスの見直しを図る中で2017年に撤退を決めています。LINEは店舗とユーザーのインフラを確立し、有料アカウントを増やす狙いがありました。その目論見が外れ、一旦手を引いたというわけです。しかし今回、事業を構築するBespoにインフラと資金を提供し、成長したらM&Aで取り込むという合理的な選択をしたと考えられます。

Bespoは自社で契約店舗の開拓をしているのかといえば、そうではありません。「トレタ」と連携をしているのです。トレタは飲食店の予約台帳を提供している企業。Web予約ページから空席管理、顧客情報管理までを一貫して行えるサービスです。

一度予約を入れたお店で「あら、〇〇さん、お久しぶり」などと電話口で言われて、「自分のことを覚えてくれていたなんて、やはりいい店だ!」と思った経験のある人はトレタの思う壺。電話がかかった瞬間に、いつ、何人で予約したか、蕎麦アレルギーがあるなどの顧客情報が表示されているのです(中には本当に覚えている方もいるかもしれませんが)。

トレタはAPカンパニーやすしざんまい、俺のフレンチなどに導入され、業界シェアは38%とNo.1です。2017年末の時点で、1万店舗間近まで契約数を伸ばしました。Bespoはトレタの営業力に乗っかって店舗数を伸ばすことができます。そして、「ビスポ!」はこの予約台帳サービスのトレタと提携しているところがポイントなのです。