総合商社のリーディングカンパニーを目指して

 16年3月期において三菱商事、三井物産が資源価格の低下の影響もあり赤字決算の中、伊藤忠商事は2403億円もの黒字であった。しかし、各社が「脱資源」を掲げ事業戦略を立てており、17年には三菱商事が2500億円、三井物産が2000億円の黒字転換を図る予定である。

 営業活動によるキャッシュフローにおいても16年3月期で三菱商事7001億円、三井物産5869億円に対し、伊藤忠商事は4194億円であり、またCITICとCPとの業務提携についても資金調達は借入で行っているためネットデットで前年度対比1751億円増加している。競合に打ち勝つためには、各事業の収益性強化は喫緊の課題である。

 中国経済が成長するという賭けに出た以上、中国を中心としたアジア経済の発展を前提に引き続き「非資源」の投資を行っていくしかすべはない。

 しかし海外企業との連携は、そう簡単には進まないと予測される。日本企業がグローバル戦略で苦戦するのが「協働」における人材マネジメントであるからだ。グローバル化に成功したダイキン工業やコマツは、海外におけるマネジメントに成功した結果、今日がある。

 伊藤忠商事の勝負はCITICやCPとの協働を速やかに行うべくマネジメント体制を整え、「三方よし」の環境をつくり出せるかどうかにかかっている。課題は多いが、将来ビジョンの確立とその達成に向けたたゆまぬ努力により、首位の座を不動にすることは決して不可能ではない。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部