伊藤忠商事は、傘下のファミリーマートに対し株式の非公開化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施することを決めた。買収目的会社のリテールインベストメントカンパニー(東京都港区)を通じて全株式の取得を目指す。買付総額は最大5808億8100万円。伊藤忠は現在、間接保有分も含めてファミリーマート株の50.1%を所有している。ファミリーマートはTOBに賛同しており、TOB成立後に上場廃止となる見通し。

コンビニエンスストア業界では、24時間営業やフードロス問題などビジネスモデルの見直しを迫られている。また、Eコマースの急拡大による消費者の購買チャネル多様化で経営環境は厳しさを増している。伊藤忠はこうした変化に機動的に対応し競争に勝ち残っていくためには、ファミリーマートを非公開化しグループ一体となって迅速に意思決定を進めていくことが不可欠と判断した。

リテールインベストメントカンパニーは伊藤忠が99%、伊藤忠の持ち分法適用関連会社の東京センチュリーが1%出資する合同会社。伊藤忠は株式取得後、生鮮食品の供給などでの相乗効果を見込み、ファミリーマート株4.90%を全国農業協同組合連合会(JA全農)と農林中央金庫に譲渡する。また、東京センチュリーも0.40%の株式を取得する予定。

買付価格は1株当たり2300円。TOB公表前営業日の対象株式の終値1766円に対して30.24%のプレミアムを加えた水準。買付予定数は2億5255万7288株で、下限は5011万4060株。買付期間は2020年7月9日から8月24日まで。決済の開始日は8月28日。公開買付代理人は野村証券。