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伊藤忠商事<8001>、化学品メーカーのタキロンシーアイ<4215>をTOBで完全子会社化

2024-08-05
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伊藤忠商事の本社(東京・北青山)

伊藤忠商事は5日、化学品メーカーのタキロンシーアイに対して完全子会社化を目的にTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。伊藤忠は現在、タキロンシーアイ株の55.69%を所有し、同社を子会社としている。買付代金は最大376億1200万円。化学品分野の重要パートナーとして経営を一体化し、事業領域の拡大と成長戦略を加速する。

TOBを行うのは伊藤忠が設立した買収目的会社のAPI(東京都港区)。タキロンシーアイ株の買付価格は1株につき870円で、TOB公表前日の終値793円に9.71%のプレミアムを加えた。タキロンシーアイはTOBに賛同を表明し、株主に応募を推奨することを決めた。TOBが成立すれば、東証プライム市場への上場が廃止となる。

買付予定数は4323万2543株。下限は所有割合10.97%にあたる1070万7900株。買付期間は8月6日~9月18日の30営業日。決済の開始日は9月26日。公開買付代理人は野村証券。

タキロンシーアイは建築、農業、土木、産業、包装用などの分野で使われる合成樹脂製品メーカー。近年は、国内の住宅着工件数や農家人口の減少、脱プラスチックの流れなどの事業環境の変化に加え、海外からの調達を含めた調達戦略の再構築が急務となっている。

前身は1919年に発足した瀧川セルロイド工業所。1957年に伊藤忠が資本参加し、1959年にタキロン化学に社名を変更。1961年に大証2部に上場し、1973年に東証1部に昇格(2022年4月に東証プライム市場に移行)。2017年に、伊藤忠傘下のシーアイ化成との合併に伴い、伊藤忠子会社になり、現タキロンシーアイに社名を改めた。

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