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負債、設備投資、新プラン…ますます難しくなる楽天の携帯事業

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新プランで収入減とさらなる設備投資

この新プランは月間通信容量が1GBまでは無料、3GBまでが980円、20GBまでが1980円、20GBを超えると従来プランと同じ2980円となる。事実上の値下げだ。加入者が増えても、それだけの料金収入が見込めない可能性が高い。特に足を引っ張りそうなのが、1GBまでのライトユーザーと20GB超のヘビーユーザーだ。

ライトユーザーは全く売り上げに貢献しない。同様のプランでは、ソニーネットワークコミュニケーションズが月間通信容量500MB(0.5GB)未満なら無料の「0 SIM」を提供していたが、2020年8月末でサービスを打ち切った。

これはスマートフォン(スマホ)を複数台持つユーザーが、あまり利用しないスマホの副(サブ)回線用に利用したケースが多かったために料金が発生しなかったと見られる。

通信容量が1GBあれば、LINEやメールなど文字通信だけに携帯回線を利用するユーザーの主(メイン)回線用としても十分に対応できる。ライトユーザーにとっては非常に魅力的なプランだが、楽天の収益には全く貢献しない。

さらに20GB超は通信容量の上限がないため、大量のデータを利用するヘビーユーザーが増えれば通信回線を増やす必要があり、設備投資の増額が必要になる。楽天の収益には貢献するが、コスト増を招く「痛しかゆし」のユーザーだ。

新料金プランは楽天の収益に貢献しない可能性も(同社ホームページより)

さらにNTTドコモやau(KDDI)<9433>、ソフトバンク<9434>が、菅政権の強い意向があって大胆な値下げプランを打ち出している。料金値下げ競争は激しくなる一方で、「我慢して先行投資を続ければ、大きな利益を得られる」状況ではなくなりつつある。

楽天もモバイル事業と共倒れする気はないだろう。いずれ「見切り」をつけて撤退する可能性が高い。理想としては事業売却だが、国内大手3社とは通信システムも異なり、市場も飽和している。引き受け手があるとしたら、外国企業になりそうだ。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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