「ゴルフ」と「パチンコ」に明暗くっきり 平和が最終赤字に転落

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傘下のパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)によるゴルフ事業や、パチンコ機やパチスロ機などの遊技機事業を手がける平和<6412>が最終赤字に陥る見通しとなった。

新型コロナウイルス感染症拡大によるパチンコ店の稼働率低下や、新機種の発売延期などの影響で遊技機事業が振るわないのが理由だ。

経営のもう一つの柱であるゴルフ事業は2020年10月以降、既存ゴルフ場の来場者数、売上高がともに前年実績を上回っている。

ゴルフは4人までの少人数が屋外でプレーするため、密になりにくいスポーツとして注目を集めているのが要因のようだ。

コロナ禍で「ゴルフ」と「パチンコ」に、明暗がくっきりと表れており、コロナ禍の早期収束が見込めない現状では当面、この傾向は続きそうだ。

当期損益は12億円の赤字に

平和は2021年2月9日に、2021年3月期の業績予想を下方修正し、売上高は1248億円から1064億円に、営業利益は69億円から33億円に、経常利益は63億円から38億円に、当期損益は10億円の黒字から12億円の赤字にそれぞれ予想数値を引き下げた。

同社はパチンコ機などの新機種の販売を第3四半期(2020年10-12月)から始めたが、型式試験の適合に時間がかかり、一部機種の発売を来期以降に延期したほか、パチンコ店の稼働状況がコロナ以前にまで回復しておらず、新機種の購入を控える動きなども表面化している。

このため2021年3月期は当初7万8000台と見込んでいたパチンコ機の販売台数が4万9000台に、パチスロ機も5万2000台と見込んでいた販売台数が3万5000台にとどまり、業績の足を引っ張ることになった。

ゴルフ事業の10-12月は前年実績超え

一方のゴルフ事業は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年4-6月の第1四半期は売上高が前年同期比62.8%に落ち込んだが、7-9月の第2四半期は同95.9%にまで回復し、10-12月の第3四半期は同101.2%と前年実績を上回った。

第4四半期入りの2021年1月は寒波や土日の悪天候が重なり、同92.3%と前年実績を割り込んだものの、同社では通期では「売上高、利益ともに当初予想を上回る」と強気の見通しを持つ。

こうした状況から平和の2021年3月期の最終赤字転落は、遊技機事業の落ち込みをゴルフ事業でカバーしきれなかったことで現実化したことが分かる。

新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向を示しているが、高齢者からスタートするワクチン接種は2021年4月以降となるため、多くの人たちにワクチンが行き渡り、コロナ禍が収束するには、もうしばらく時間がかかる。

ゴルフとパチンコの明暗解消も、コロナ同様もうしばらく時間がかかりそうだ。

文:M&A Online編集部

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