【M&A戦略】店頭上場後、積極的にM&Aを推進

 楽天は2000年に店頭市場に上場後、矢継ぎ早にM&Aに着手。当初は国内企業の買収に積極的であった。2002年まではIT関連(プロバイダー事業やコンテンツビジネス等)の買収が多かったが、以降は金融や通信などの異業種、さらに海外企業のM&Aが目立つようになる。これらのM&A戦略により、事業領域の拡大を図る。

異業種の分野では、2003年にマイトリップ・ネット(後の楽天トラベル)を日立造船株式会社から323億円で買収。国内旅行ではJTBグループに次ぐ国内取扱高第2位にまで成長した。同年にDLJディレクトSFG証券(現・楽天証券)の全発行株式の96.67%を約300億円で取得し、子会社化。2004年にはあおぞらカード(現・楽天カード)の全株式を約74億円で買収。現在の「楽天経済圏」の土壌はほぼこの時期に確立されたと言えよう。

2010年のイーバンク銀行の関連子会社化と「楽天銀行」への商号変更により、国内における金融部門については事業のラインナップが整った。2011年は震災の影響もあってか国内企業のM&Aは積極的な動きがみられなかったが、2013年にアパレルECのスタイライフへのTOB(株式公開買付け)で国内企業の買収を再開する。最近は、フリマアプリの「フリル」や爽快ドラックなどEC関連事業を次々に買収している。

 海外に目を向けてみよう。2005年に米LinkShare(リンクシェア)社を約4億USドルで買収したのを皮切りに、台湾・タイ・フランス・インドネシア・ブラジル・ドイツ・ロシア・イギリス・カナダなど、世界各国でM&Aに取組むことにより、グローバル戦略を推進してきた。

さらに、2012年には社内の英語公用語化を推進。楽天がグローバル企業であることを国内外に印象づけた。2014年にはIPO(新規上場)を進めていたEbates Inc.(北米最大級の会員制オンライン・キャッシュバック・サイト)のケビン・ジョンソンCEOに対してM&Aによる国際連携を提案し、完全子会社化した。そのほか、米国図書館向け電子書籍配信サービス「OverDrive」を買収するなど、海外M&Aも活発である。