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マツダが「トヨタに作れない」超省エネエンジンを投入できた理由

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なぜトヨタは超省エネエンジンを作らないのか?

理由はトヨタ側から見れば分かりやすい。トヨタは1997年に初代「プリウス」でHVを実用化した。HVの省エネ効果は絶大で、カタログ性能ではマツダのスカイアクティブエンジン搭載車を凌駕する(デミオの24.6km/Lに対し、アクアは38.0km/L)。HV搭載車種を増やすことで量産効果によるコストダウンも実現し、ガソリン車との価格差も縮まった。つまりトヨタにはHVがあり、ガソリンエンジンの燃費向上に力を入れる必要はなかったのだ。

さらにトヨタにはいわゆる「全方位開発」のポリシーがある。実用化されているすべての自動車を、自社の商品群に組み込む戦略だ。そのため燃料電池車(FCV)の「MIRAI」を実用化し、電気自動車(EV)の開発も進行中だ。ブラジルなどではガソリンにバイオ(生物)由来のエタノールなどのアルコールを加えた燃料で走行できるフレックス燃料車(FFV)なども販売している。その結果、開発費や人材などの研究開発リソースが分散し、従来型エンジンのブラッシュアップに大きな投資ができない事情もあった。

マツダの「スカイアクティブエンジン」

これに対して資金力に劣るマツダは、ガソリン・ディーゼルの従来型エンジンに研究開発リソースを集中投下するしかない。FCVの開発も中断せざるをえず、EVやFFVなどに手を広げる余裕などなかったのである。従来型エンジンのブラッシュアップが最も低コストで、確実に売れる。その結果、大ヒットとなるスカイアクティブエンジンが誕生したわけだが、長期的に安泰なわけではない。

すでに中国やインド、欧州連合(EU)などではガソリン車やディーゼル車といった排ガスを出す内燃機関車の締め出しが動き出している。燃費が良いHVですら排除する動きもあり、マツダのスカイアクティブエンジンといえども長期的には「風前の灯」の運命だ。

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