海外M&Aはどうか。最近の動きをみると、2015年に交通機関向け電子チケット発券ソフトを開発する英国Applied Card Technologies(ウイルトシャー)、フランスのソフト開発会社UShare Soft(グルノーブル)を、2016年には米のネットワーク構築会社TrueNet Communications(フロリダ州)、企業向けクラウドサービスのノルウェーSymfoni(オスロ)のグループ4社をそれぞれ買収した...
経営危機のどん底からよみがえった「メガネスーパー」。2017年に持株会社制へ移行し、「ビジョナリーホールディングス」として新たな歴史を刻み始めている。投資ファンドによる再建を果たした同社は、M&Aで新分野を開拓し、次なる飛躍を果たそうとしている
メルコホールディングスはパソコン周辺機器のトップブランド、「バッファロー」を中核会社にグループを形成する。パソコンからスマホ、タブレットに市場が大きくシフトする中、経営は曲がり角に立つ。4月には製麺大手、シマダヤを完全子会社化するのだが…。
クボタが4半世紀ぶりに大規模な広告宣伝活動を展開している。久保田鉄工からクボタに社名変更した1990年以来のことだ。M&Aなどで海外事業が拡大し、売上高の7割近くにまでを海外が占めるようになったため、もう一度日本国内でのクボタの知名度を上げるのが狙いのようだ。
日本経済を変えたM&Aといえば、文句なく1999年3月の日産自動車と仏ルノーとの資本提携だろう。カルロス・ゴーン氏主導のコストカットは国内鉄鋼2位の日本鋼管(NKK)と同3位の川崎製鉄の合併を促し、JFE ホールディングスの誕生につながるなど国内産業に大きな影響を与えた。関係会社の持ち株の売却で日本企業の特徴だった系列も解体し、自社のノンコア事業も譲渡した。日本では「ゴーン後」に戦略的なM&Aが定着したといっても過言ではない。その日産がまたも新たなM&Aを加速しつつある。そのターゲットとは…。