「ヤフー社が主体的に LOHACO(日用品、ファッション、雑貨などの個人向け通販)事業の移管を画策していることは明白」

「新たな経営陣のもとで新たな経営戦略を推し進める、という説明は岩田社長を当社経営から外すことだけが本件一連の目的であることを表面上隠すためになされた虚偽の説明」

「提携関係の見直しについての協議が不要というのは、自らの都合に合うように資本の論理を振りかざす暴論」

オフィス用品の通販を手がけるアスクル<2678>はこんな厳しい言葉でアスクル株の約45%を保有するヤフー<4689>の行為を批判した。

売渡請求権発動の条件に該当するのか

ヤフーは7月17日にアスクルの岩田彰一郎社長の取締役選任に反対する予定であるとのプレスリリースを発表。これを受け、アスクルは同日岩田社長退陣要求には応じないことと、ヤフーに提携解消協議の申し入れを行った。

さらに翌18日にヤフーは「LOHACO事業の譲渡を申し入れる方針はない」「新しい代表取締役社長については、アスクルの取締役会で決議するもの」「業務・資本提携関係の見直しについての協議は不要」との見解を掲載したプレスリリースを発表した。

このプレスリリースに対し、アスクルが虚偽や暴論などの厳しい言葉で反論したのが、冒頭の言葉だ。アスクルはこの反論と同時に岩田社長がヤフーの川邊健太郎社長に、再度協議の申し入れを行った。

このやり取りを見ると両社の関係は修復不能のように見える。このままの状態でアスクルの株主総会開催予定日である8月2日を迎えれば、株式の約45%を保有するヤフーと、約10%を保有するオフィス家具や文具、事務用品などを手がけるプラスが求めている岩田社長の退任は確定する。

一方、岩田社長の退任に反対しているアスクルは、ヤフーのこうした行為が業務・資本提携契約の売渡請求権発動の条件に該当するとしており、ヤフーがこれを認めれば岩田社長の退任は避けられ、今回の騒動に終止符が打たれる。

だが、協議は不要との立場をとるヤフーの態度が一変する要因は今のところ見当たらない。こういう状況下で頭をよぎるのはヤフーによるアスクルの完全子会社化と非上場化というシナリオ。その内容はこうだ。