五洋インテックス<7519>がメディカル(医療)ツーリズム事業に本格的に乗り出す。2019年5月27日と6月12日に相次いで、メディカルツーリズム事業関連2社との間で、業務提携と企業買収に踏み切った。業務提携の内容は今後詰める予定で、企業買収は7月上旬に実行される見通しだ。

同社は長年、赤字体質が続いており、両案件が20年3月期の業績に与える影響はいずれも軽微としているものの、長期低迷の打開策としての期待は大きい。

同社が早期収益化を目指すメディカルツーリズム事業とはどのようなものなのか。業務提携と企業買収の中身を見てみると。

臨時株主総会でトップが交代

五洋インテックスはカーテンなどのインテリアの販売を主力とするが、19年3月期まで5期連続で経常赤字が続いている。

また、新規事業として取り組んだタブレット端末と太陽光パネルなどの販売で、不適切な会計処理があり、15年3月期から18年3月期第3四半期までの決算短信を18年に修正した。

こうした経営の不手際や窮状に不満を抱く株主からの提案で19年4月28日に臨時株主総会が開かれ、五洋インテックスの当時の社長だった大脇功嗣氏の解任と、株主側が取締役に提案した宮原雄一氏の社長就任が実現した。

新経営陣は医療ビジネスを含む新規事業を強化する方針を打ち出しており、この具体策として5月、6月に、相次いで業務提携と企業買収の2本の矢を放ったわけだ。

業務提携と企業買収で活路

5月に業務提携を行ったのは医療法人IMSグループの傘下企業であるアイセルネットワークス(東京都千代田区)。IMS グループは北海道、東北、関東、海外で病院や介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなど140施設を運営し、総病床数は1万2000床、職員数2万2000人に達する。

これら医療施設が五洋インテックス子会社の展開する医療事務サービスの受け入れ先となる可能性があることからアイセルネットワークスとの提携を決めた。

アイセルネットワークスは電子カルテをはじめとする病院のIT環境の整備や、病院給食システムの管理、運営、人材の確保、教育など医療機関の経営や運営を幅広く支援している。 

一方、7月に子会社化を予定しているのは旅行業のMNC(東京都港区)。同社は2017年の設立で、中国からの観光客らを対象にした医療や美容に関する旅行の企画などを手がけている。

今後は日本のがん免疫細胞療法レベルの高さや地方医療のレベルの高さに着目したメディカルツアーに注力するという。

五洋インテックスは旅行業の登録業者であるMNCを傘下に収めることで、直接、メディカルツーリズムを目的とした観光ツアーの手配を行うことが可能になる。