日本電産<6594>は米国の家電メーカー・ワールプール社のコンプレッサー事業であるエンブラコの関連企業10社中8社の株式取得を完了した。残りの中国企業2 社については2019 年9月末までに取得を完了する予定。 

日本電産は2018年4月にエンブラコの子会社化を発表していたが、2019年3月にワールプールから日本電産がエンブラコ買収にかかわる競争規制当局の認可取得を2019年4月24日までに完了するための努力義務を怠ったとし、契約の履行を求める訴訟を起されていた。 

これに対し日本電産は努力義務違反はないとの主張を行い法定で争った結果、2019年4月にニューヨーク南部地方裁判所がワールプールの主張を退け、訴訟を却下する決定を下していた。 

今回、2019年6月26日に欧州委員会が買収の認可を下したことから2019年7月2日に株式取得が完了した。日本電産によると「長年にわたる取引により築かれた信頼関係がある」としていたワールプールとの間に入ったヒビは、2カ月遅れではあるが子会社化が実現したことで修復に向かいそうだ。 

セコップグループは売却

エンブラコは冷蔵庫用の直流コンプレッサーで高い技術を持っており、2017年12月期の売上高は13億700万ドル(約1480億円=1ドル108円で換算)だった。 

欧州や米国、中国などで環境規制が強化される中、今後、直流コンプレッサーの需要が高まると予想されていることから、日本電産ではエンブラコが保有する直流コンプレッサー技術が大いに活用できるとしているほか、コンプレッサーと日本電産が手がけるモーターは共通部品が多いため、共同購買によるコスト削減も可能としている。 

日本電産はコンプレッサー事業強化のため2017 年7月に家庭用・商業用冷蔵庫のコンプレッサー事業を手がけるセコップグループを買収していたが、エンブラコの買収についての欧州委員会の条件付承認に伴って、今後セコップグループを売却する。 

エンブラコの子会社化による業績への影響については現在精査中としているが、「中期戦略目標である2021 年3月期の売上高 2 兆円の達成に貢献するものと確信している」としている。

文:M&A online編集部