エン・ジャパン<4849>が外国人向け求人一括検索サイトを運営するJapanWork(東京都港区)を子会社化する。

2019年4月に改正出入国管理法が施行され、外国人の受け入れ拡大を目的とした単純労働者に対する就労ビザの取得が認められたことから、慢性的な人手不足で悩むホテルや飲食業界などで、今後外国人労働者の採用拡大が見込める。

外国人向け求人事業を展開するJapanWorkは、創業以来3期連続の赤字となっており、法改正による追い風が吹いてきたものの業績には表れていないことから、エン・ジャパンに出資を要請。今回のM&Aにつながった。

エン・ジャパンは7月12日にJapanWork株式の51%を取得し子会社化したあと、残る株式については2022年9月末までに株式交換で追加取得し、完全子会社化する。

7月12日に実施する予定の株式取得価格は2億3400万円で、JapanWorkの18年12月期の純資産100万円を大きく上回る。エン・ジャパンが、JapanWorkが手がける外国人向け求人事業に大きな成長期待を寄せていることが分かる。

そんなJapanWorkとはどんな企業なのか。

AIが外国人就労をサポート

JapanWorkは日本に住む外国人が英語・中国語・ベトナム語で日本の求人が一括検索できる国内最大のサイトJapan Workを運営する。同サイトは月間10万人(同じ人が何度検索しても1人としてカウント)が利用するという。

社長の鈴木悠人氏は東京大学工学部を卒業したあとの米国留学で、日本の生活情報が十分でないとの問題意識を持ち、16年2月にJapan Workを設立した。

18年12月には日本に住む外国人を対象にAI(人工知能)が最適な仕事情報を提供し、面接から採用まで、困ったことはなんでもチャットで聞ける「チャットコンシェルジュサービス」を始めた。

Japan Workの業績は18年12月期が売上高1600万円、損益は営業、経常、当期のすべての段階で1900万円の赤字。16年12月期、17年12月期もそろって赤字だった。

今回のエン・ジャパンによるJapanWorkの子会社化は技術力のあるスタートアップ企業が出口戦略としてM&Aを選択した典型的な事例といえそうだ。

大企業の傘下に入り豊富な経営資源を活用できる環境を手に入れたJapanWorkの今後の成長軌道はどのようなカーブを描くのか。また創業者の鈴木悠人氏はこのままJapanWorkにとどまって事業を続けるのか、それとも新たなスタートアップ企業を創業するのか。多方面から関心を集めそうだ。

文:M&A online編集部