「なぜ今どきメールで連絡を取り合うの?」-新入社員が入社して最初に受けるカルチャーショックが、企業の「メール文化」だという。LINEやツイッター、フェイスブックなどのSNSを利用してきた若者にとって、チャットを使うのは当たり前で電子メール(以下、メール)は「形式ばっていて、まどろっこしい」らしい。

電話やファクスで育ち、ようやくメールに追いついた中高年ビジネスマンにとっては驚きだが、若者たちの指摘は当たっている。企業がビジネスチャットの導入に乗り出し始めたからだ。理由は「スピード」「同報性」そして「オープン性」だ。チャットはビジネスをどう変えるのか?クラウド型ビジネスチャットツール大手Chatworkの山本正喜CEO(最高経営責任者)兼CTO(最高技術責任者)に聞いた。

コミュニケーションツールはチャットへ進化する

-かつては個人間のコミュニケーションツール(連絡手段)だったチャットが、ビジネスでも使われ始めています。

山本 ビジネスのコミュニケーションツールは電話、ファクス、メールと、どんどん簡単にやりとりできるものに進化してきた。メールの次に来るのがチャットだ。コミュニケーションツールの主流となるのに必須の条件は「簡単に使えること」。

IT化やモバイル通信の普及などで個人間のコミュニケーション量は急増しているが、皆がそうした技術に詳しいとは限らない。そこでメールよりも簡単にやりとりできるチャットツール「Chatwork」を2011年3月にリリースしたところ、企業の大小を問わず導入された。2019年4月末時点で21万8000社に採用していただいている。

-チャットがメールに比べて優位な点は?

山本 メールにない便利な機能が備わっているなどシステム上の優位性も多いが、なにより文章の作法が簡略化されていることが大きいのではないか。メールでは「〇〇社の△△です、いつもお世話になります」で始まり「何卒よろしくお願いします」で終わる文章が、チャットでは本文(用件)だけ書いて終わり。

メールでは不躾(ぶしつけ)にみえる文章でも、チャットなら違和感がない。この手軽さとスピーディーさがチャットの真骨頂だと思う。

「手軽さとスピーディーさがチャットの真骨頂」と、山本さん