KDDI<9433>が高速・大容量通信規格である5Gのサービス開始に向けアクセルを踏み込んだ。同社は衛星写真から3次元(3D)マップを作成する技術を持つ米国のスターフィーと戦略的パートナーシップ契約を結んだ。

スターフィーの技術を活用して街や空間全体をAR(拡張現実)化し、新しいナビゲーションやEC(電子商取引)、ゲームなどの利用環境を構築する計画だ。

同社はすでに建物の壁や地下街の3Dマップを作成できる技術を持つ米国企業に出資し、こうした施設の3Dマップ作りを進めている。これにスターフィーの技術が加わることで、3Dマップ作りが大幅に加速することになる。

選手の緊迫感を体感しながら観戦

KDDIが作成している3Dマップは空間や建物にスマートホンを向ければ位置と方向の情報を得ることができるVPS(ビジュアル・ポジショニング・サービス)に用いられる。

VPSはスマートホンなどのカメラ機能を活用したAR(拡張現実)と組み合わせることで、建物の壁面に広告を表示したり、地下街でのナビゲーションやショッピングセンター内の店舗情報の表示などができる。

3D化のイメージ(リリースより)

スターフィーの技術は衛星写真を用いて、地表にある建物や道路、樹木などを分析・結合し街全体を3D化するため広範囲の3Dマップが効率的に作成できる。

街全体の3Dマップを用いれば地下から地上に出た際にスマートホンをかざすだけでGPS(全地球測位システム)よりも短い時間で正確な位置と方向が分かるようになる。

さらに街全体が3D空間として利用できるためAR技術と組み合わせることで街を舞台にした高度なゲームの提供なども可能だ。

5Gは高速・大容量に加え、多接続、低遅延などが実現でき、スマートホンによる通信だけでなく車の自動運転などでも活用が見込まれている。すでに米国と韓国では2019年4月にサービスが始まり、日本では2020年の半ばごろに商用サービスが開始される見通し。

KDDIでは5Gの活用法としてサッカーやテニスの選手に心拍数などを計るセンサーを取り付けて選手の緊迫感を視聴者が体感しながら試合を観戦する事例や、スケジュール、行き先の混雑状況、交通障害などの情報を統合し、最適な行動パターンをナビゲートする事例を挙げている。

5Gのサービス開始に向け、VPSや自動運転だけでなく、様々ものがインターネットにつながるIoT(モノのインターネット)が急速に拡大しそうだ。

文:M&A online編集部