ヤフー<4689>はPayPayと組んでフリマ市場に参入する。先行するメルカリ<4385>をとらえることができるか。両社のつばぜり合いが見ものだ。
ヤフーはスマートホン決済サービスのPayPayと連携し「PayPayフリマ」を今秋から始める。詳細は明らかにしていないが、メルカリ同様にフリマに出品した私物の売上金はPayPayのポイントして蓄積でき、キャッシュレス決済で利用できる見込み。
ヤフーによると、経済産業省の試算では2018年のフリマアプリの市場規模は6392億円で前年度より30%ほど増えており、今後も成長が見込めるという。
メルカリが運営するスマートホン決済サービス「メルペイ」はメルカリで年間約5000億円の売上金をキャッシュレス決済で利用することができる。
ヤフーがどこまでメルカリに追いつくことができるのか。両社の競争はフリマアプリ市場の奪い合いというよりは、フリマアプリの市場拡大につながりそうだ。
「PayPayフリマ」は誰でも手軽に売買できる使いやすさを追求したほか、PayPayユーザー向けの特典や、キャンペーンなどを実施する予定という。
100億円あげちゃうキャンペーンで話題を集めたPayPayだけに、キャンペーンについては自ずと関心が高まる。
さらにヤフーではオークションサイト「ヤフオク!」で出品されている商品のうち、個人の出品や固定価格などの一定の条件を満たす商品は「PayPayフリマ」上でも閲覧や購入ができようにする。このため商品が豊富にある状態でサービスが開始されるとしている。
「ヤフオク!」への出品物の売上金は年間9000億円ほどに達しており、6月から売上金をPayPayにチャージして加盟店などでの支払いに使用できるようになった。これにフリマが加わることで、1兆円に迫る金額がスマートホン決済サービスで利用できるようになる。
ヤフーは2019年10月にPayPayと連携した「PayPayモール」もスタートする。「Yahoo!ショッピング」と並ぶオンラインショッピングモールで、「PayPayフリマ」と同様に「PayPay」と連携した特典やキャンペーンを予定しているという。
将来はユーザーが「PayPayモール」で注文し、自宅や職場などの近辺の店舗で商品を受け取れる実店舗との在庫連携機能を提供する。
スマートホン決済サービスはどこまで進化するだろうか。
文:M&A online編集部
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