ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

サブカル聖地の「ヴィレッジヴァンガード」不採算店を閉鎖

alt

サブカルチャーの聖地、ヴィレッジヴァンガードの店舗数が5年で1割減少

公開日付:2019.06.14

2014年以降、店舗数が減少

 書籍、雑貨販売の「ヴィレッジヴァンガード」などを運営する(株)ヴィレッジヴァンガードコーポレーション(TSR企業コード: 400882051、名古屋市、JASDAQ、以下VVC)の店舗数が、年々減少をたどっている。
VVCは「遊べる本屋」をキーワードに、書籍や雑貨、CD、DVDなどを融合した店舗を展開。若者を中心にサブカルチャーの聖地として認知されている。しかし、店舗数(2017年8月に会社分割したフード事業を除く)は、2014年5月期の390店(直営店377店、FC13店)をピークに、2019年5月期は348店(直営店342店、FC6店)まで減少した。
 これに伴い売上高(単体)も、2012年5月期の389億3,200万円をピークに、2018年5月期は334億6,000万円に減少している。

ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの店舗数推移
東京商工リサーチ調べ

「リアル店舗の生き残りは厳しい」

 東京商工リサーチ(TSR)の取材に、VVCの担当者は「時代の流れでリアル店舗の生き残りは厳しく、不採算店を閉めている」と店舗減少の理由を語った。
 連結子会社だったエスニック雑貨や衣料を扱う(株)チチカカ(TSR企業コード:292355599、社名は当時)は2016年にグループから外れた。かつては、ヴィレッジヴァンガードとともに積極的にモールにも出店していたが、その後は事業の見直しを図っている。
 近年、安価でトレンドを取り入れた雑貨を扱う300円ショップや、複合型の書店などが台頭している。これについてVVCは、「特に他の雑貨店をライバルとして意識していないが、ネット通販企業の台頭は意識している」と話す。FC店の減少については、「オーナーの意向によるところが大きい。年齢を理由にするケースも増えてきた」と語り、事業承継の問題がFC店に波及していることを示唆した。

オンライン通販で巻き返しに意欲

 VVCは不採算店の閉鎖を進め、今後はより収益性の高い店舗運営に注力していく。
 関連子会社の(株)Village Vanguard Webbed(TSR企業コード:402987780、横浜市)ではネット通販を展開し、従来のリアル店舗の販売からオンライン強化を推進している。また、商品構成の見直しや新進のクリエイターが制作した商品も扱い、他のネット通販会社と差別化を図る意向だ。
 リアル店舗のオーナーの高齢化はサブカルチャーの聖地も例外でない。忍び寄る高齢化にネット進出が最適解となるのか注目される。

ネット通販を強化するヴィレッジヴァンガード (C)東京商工リサーチ

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年6月17日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

東京商工リサーチ「TSR情報」より

東京商工リサーチ

世界最大2億件を超える国内・海外の企業情報を提供し、与信管理を支援する東京商工リサーチ(TSR)。長年の蓄積した企業情報データベースを活用し与信管理、マーケティング、調達先管理、海外企業情報に同社の情報を活用する企業は多い。 東京商工リサーチ:http://www.tsr-net.co.jp/


NEXT STORY

文教堂HD、出版市場縮小の中で「債務超過」からどう脱出?

文教堂HD、出版市場縮小の中で「債務超過」からどう脱出?

2018/12/07

大手書店の文教堂グループホールディングス(HD)が2018年8月期決算で2億3300万円の債務超過に陥ったのに伴い、同社株式が上場廃止の猶予期間入り銘柄となった。出版市場が縮小する中、書店経営を取り巻く厳しい現状が改めて浮き彫りになった。