3年連続で1000億円超の大型M&Aを実施

日本電産は1973年に永守会長が、京都市西京区の自宅で起業したのが始まり。永守会長の口癖でもある「世界一になる」との強い思いをスタート当初から持ち、創業後すぐに精密小型ACモーターの製造・販売を開始。1975年にはブラシレスD.C. モーターの製造・販売を本格化した。

その後も1978年に米国企業との合弁会社である日本電産トリンを設立し、ファンブロワー分野に本格進出したほか、1979年には同社の成長を牽引することになった8インチスピンドルモーターや、8インチ型ハードディスク装置用スピンドルモーターの生産に着手。1984年には3.5インチ型ハードディスク装置用スピンドルモーターの生産を始めた。

同社の代名詞ともいえるM&Aについては、1984年に米国のトリン社の軸流ファン部門を買収したのを皮切りに買収を繰り返し、現在までに60社ほどの企業を傘下に収めてきた。2020年度を最終年度とする「Vision 2020」でも新規のM&Aに5000億円を投じる計画を表明している。

そのうちの一つがオムロンオートモーティブエレクトロニクスの子会社化で、取得価額は約1000億円。このほかにも2017年には米国の大手電機メーカーであるエマソン・エレクトリックのモーター・発電機事業の買収に約1200億円を投じた。2018年に発表し現在買収準備中の米国の大手家電メーカーであるワールプールの冷蔵庫用コンプレッサー事業の買収には約1170億円を投じる予定で、3年連続の1000億円超の大型M&Aを実施する。

日本電産のM&A戦略は明確で、回るもの、動くものに特化し、技術開発や販路開拓のための時間を買うという姿勢に徹している。創業からの現在までの45年間の成長を支えてきたのがM&Aで、永守会長は「M&Aがなければ現在の売上高は半分。成長できたのはM&Aのおかげ」と語っている。

主なM&A
1984 Torin Corp.(米国)軸流ファン部門
1989 信濃特機
1992 Seagate Technology LLC(米国)精密複合部品部門
1995 共立マシナリ
1995 シンポ工業
1997 トーソク
1997 リードエレクトロニクス
1997 京利工業
1998 コパル
1998 コパル電子
1998 芝浦製作所 モーター部門
2000 ワイ・イー・ドライブ
2000 Seagate Technology LLC(米国)タイ ランジット工場モーター部門
2003 三協精機製作所
2006 フジソク
2006 Valeo S.A.(フランス)Motors & Actuators事業
2007 Brilliant Manufacturing Ltd.(シンガポール)
2007 日本サーボ
2010 Appliances Components Companies S.p.A.(イタリア)家電用モーター事業
2010 SC WADO Co., Ltd.(タイ)
2010 Emerson Electric Co.(米国)Motors & Controls事業
2011 三洋精密
2012 The Minster Machine Company(米国)
2012 Ansaldo Sistemi Industriali S.p.A.(イタリア)
2012 Avtron Industrial Automation, Inc.(米国)
2012 SCD Co., Ltd.(韓国)
2012 Kinetek Group Inc.(米国)
2012 江蘇凱宇汽車電器有限公司(中国)
2014 三菱マテリアルシーエムアイ
2014 ホンダエレシス
2015 Geräte- und Pumpenbau GmbH Dr. Eugen Schmidt(ドイツ)
2015 Motortecnica s.r.l.(イタリア)
2015 China Tex Mechanical & Electrical Engineering Ltd(中国)SR モーター・ドライブ事業
2015 Arisa, S.A.(スペイン)
2015 KB Electronics, Inc.(米国)
2015 E.M.G. Elettromeccanica S.r.l.(イタリア)事業資産
2015 PT. Nagata Opto Indonesia(インドネシア)
2016 E.C.E. S.r.l.(イタリア)
2016 ANA IMEP S.A.(ルーマニア)
2016 Canton Elevator, Inc.(米国)
2017 Emerson Electric社 モーター事業及び発電機事業(フランス)
2017 Emerson Electric社 ドライブ事業(イギリス)
2017 ヴァムコ・インターナショナル社(米国)
2017 LGB エレットロポンペ社(イタリア)
2017 セコップグループ(ドイツ)
2017 東京丸善工業
2017 SV Probe Pte. Ltd.(シンガポール)
2017 driveXpert GmbH(ドイツ)
2018 Genmark Automation, Inc. (米国)
2018 チーマ社 (イタリア)
2018 MSグレスナー社 (ドイツ)
2018 CCI社(台湾)
2019 ズィステーメ・シュトイエルンゲン社(ドイツ)
2019 デッシュ・アントリープステヒニク社(ドイツ)