日本で最初に接種できるワクチンが絞られつつある。有効性のデータを公表した米国の製薬大手ファイザーと、同じく有効性を示した米国のバイオテクノロジー企業モデルナが開発しているmRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンがそれだ。 

両社は2021年上半期中に日本向けに供給する計画だが、近く米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可の提出を行うとしており、2021年上半期の早い時期に日本でもワクチン接種が始まる可能性がある。

両社が開発中のワクチンとはどのようなものなのか。

感染予防に94.5%有効

ファイザーは2020年11月9日に第3相臨床試験の中間分析で、同社製のワクチンが新型コロナウイルス感染症の予防に90%以上有効であったと発表した。試験には4万3538人が参加し、深刻な安全上の懸念は観察されていない。同ワクチンはマイナス60-80度Cで6カ月間の保存が可能で、2-8度Cで5日間の保存が可能という。

モデルナは2020年11月16日に第3相臨床試験の最初の中間分析で、同社製ワクチンが新型コロナウイルスの予防に94.5%有効であったと発表した。試験には3万人以上が参加し、重大な安全上の懸念は報告されていない。同ワクチンはマイナス20度Cで6カ月間の保存が可能で、2-8度Cで30日間の保存が可能としている。

mRNAで免疫力を獲得

両社が開発中のワクチンはmRNAを用いる。mRNAはたんぱく質を生成するための情報を運ぶ遺伝子で、今回のワクチンでは新型コロナウイルスの表面にあるたんぱく質を作り出すように設計されている。

新型コロナウイルスそのものではなく、表面のたんぱく質だけを作り出すため、感染のリスクはない。このmRNAが体内で新型コロナウイルスのたんぱく質を作り出すことで、免疫力を獲得し、新型コロナウイルスの感染を予防することができる。

ファイザーは2021年上半期中に1億2000万回分のワクチンを日本に供給する予定で、世界全体では2020年末までに最大1億回分を、2021年末までには約13億回分を製造する。モデルナは武田薬品工業<4502>を通じて2021年上半期中に5000万回分のワクチンを日本に供給する予定。

このほかに、日本向けにワクチンを供給する時期と量を公表しているのは2社で、アストラゼネカ(大阪市)は2021年初めから1億2000万回分を供給し、このうち3000万回分は1-3月に供給する。塩野義製薬<4507>は2021年末までに3000万人分を供給する計画。

文:M&A Online編集部