大手スーパー西友の親会社が、世界最大のスーパーである米ウォルマート(アーカンソー州)から、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR、ニューヨーク)に代わる。

ウォルマートは2005年に西友を子会社化したあと、業績の改善や企業価値の向上に取り組んできたが、志半ばでKKRに主導権を渡すことになった。

そのKKRは投資家から集めた資金を基に非上場企業の株式を取得し、その後、企業価値を高めたうえで、新規株式公開IPO)や売却によって利益を得るプライベート・エクイティ・ファンド。

非上場企業の株式取得のほかにもエネルギー、インフラ、不動産、クレジット、ヘッジファンド(相場が変動しても利益を上げることを目的としたファンド)など多様な種類の資産に投資をしている。

西友の企業価値を高め、売却益を得ようというKKRとはどのような企業なのか。

オンラインと実店舗の垣根をなくす

KKRは西友株式の65%を取得し、合わせて楽天<4755>も西友株式の20%を取得する。現在、西友の全株式を保有するウォルマートは保有割合を15%に引き下げる。

KKRはアドバイザーや投資先企業、専門家のネットワークなどを活用しながら、西友を支援し、楽天は保有する1億以上の会員基盤やテクノロジーを活用して、西友のDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル技術による業務やビジネスの変革)推進を支援する。

アプリを利用した買い物、決済、配達、新しいキャッシュレス決済の導入などを計画しており、西友を、日本を代表するOMO(オンラインと実店舗の垣根をなくすことで実現する効率の良い購買)小売業者に押し上げるという。

運用資産は23兆円

KKRは1976年の創業で、6年後の1982年には米国の州立公的年金基金がKKRのプライベート・エクイティ・ファンドに投資するなど順調に業容を拡大してきた。1998年にロンドンオフィスを、2005年に香港オフィスを、2013年にサンパウロオフィスをそれぞれ開設し活動エリアも拡げてきた。

現在、世界20都市に拠点があり、2019年12月末時点の運用資産は2184億ドル(約23兆54000億円)、プライベート・エクイティ・ファンドの投資先企業の売上高の合計は1680億ドル(約18兆1100億円)に達する。