2016年10月に株式市場を賑わせたさが美<8201>のTOBも記憶に新しいところ。ユニー・ファミリーマートHD<8028>傘下にあった同社を巡る買収合戦は、いわゆる再生ファンドのひとつであるアスパラントグループの買い付け成立をもって決着したが、そのスッキリしない結末には今も疑問が残る。
アスパラントは同月よりTOBを開始したが、その約1か月後、ニューホライズンが対抗買収案を発表。最終的にアスパラントの案に比べ金額的に大きく上回る、1株当たり90円、総額約43億円の買収案が提示されたことにより、事態は次なる展開を迎えるかと思われた。
しかしながら、ユニー・ファミリーマートとさが美はともに「信頼関係が築けていない」という理由をもってニューホライズンの買収案に不賛同を示し、ニューホライズンも友好的なTOBしか行わないとの理由から正式なTOBを申し立てず、結果的に当初の安値TOBが成立することとなったのだ。
なぜ金額的に好条件だったニューホライズン案を蹴り、当初の案を押し通したのか。依然として十分な説明がなされないまま、現在に至っている。企業にとって、株主にとってどちらの買収案が魅力的であったのか。これからのM&Aを考えるうえで押さえておきたい事例だろう。
これまで取り上げた企業以外にも、2017年7月、民事再生法を申請していた装いの道が、数多くの企業再生に実績のある佐々木べジ氏とスポンサー契約を締結。再生への道を歩み始めている。
旧来から続く伝統を守りながら、呉服業界は今日まで成長を続けてきた。
果たして、この再編を機に変革の時を迎えることができるのだろうか。
2020年を前に改めて和文化が注目される機運も高まる中、本稿で取り上げた企業が成長することを願いたい。
文:M&A Online編集部
伊豆諸島、小笠原諸島など東京都の島しょ部に本社を置く企業は520社。最近は豊かな観光資源が見直され、訪日外国人数も増えていることから起業のチャンスもあるようだ。
東京商工リサーチによると、昨年の老人福祉・介護事業倒産件数は、2000年の調査開始以来、これまで最多だった2015年(76件)の1.4倍増、108件と急増した。
M&A Online編集部です。今回は「全国書店1,128社の業績動向調査」(東京商工リサーチ)を取り上げます。全国の書籍・雑誌小売業の売上高は2年連続で減少をたどり、厳しい経営環境が続いています。