RIZAPグループ<2928>が事業構造改革に動き出した。その第一弾として、25日、ヘアケア・ボディケア用品の企画・販売子会社であるジャパンゲートウェイ(東京都新宿区)を売却すると発表した。

8億円の売却損を計上へ

RIZAPは2019年3月期に33億円の営業赤字(前期は135億円の黒字)に転落する見通しになったのに伴い、成長の牽引役としてきたM&Aの凍結を決定。この3年間で3倍以上の85社に膨らんだ傘下企業の整理が急務になっている。

同社が買収する企業は業績が低迷しているところが多い。買収後2~3年での再建を基本としているが、経営改善が思うように進んでいないのが赤字転落の主因。今回売却を決めたジャパンゲートウェイはそうした企業の一つだ。同社1社だけで上期の営業赤字は約20億円に上っていた。

ジャパンゲートウェイの売却先は投資事業を手がける萬楽庵(名古屋市)。萬楽庵の会長の中村規脩氏はテレビ通販「Shop Japan(ショップジャパン)」を展開するオークローンマーケティング(名古屋市)のファウンダー(創業者)。萬楽庵が今後新規展開する通販事業の美容・ヘルスケア領域でシナジー(相乗効果)が期待できると判断した。ジャパンゲートウェイの全株式を25日付で取得した。

RIZAPによる売却価格は非公表。RIZAPは19年3月期に約8億円の売却損を計上する。

今回グループから切り離したジャパンゲートウェイとはどんな会社なのか。

ジャパンゲートウェイは2006年に創業し、天然成分由来のシャンプー「レヴール」やボディウォッシュ「メルサボン」などで知られ、ドラッグストアなどを中心に売り上げを伸ばし、有名タレントを起用したテレビCMでも知られた。しかし、その後、業績が低迷して投資ファンドで再建を目指していた。

ジャパンゲートウェイのHPより:看板商品のシャンプー「レヴール」

既存事業の選択と集中へ、二の矢三の矢は必至

RIZAPは2017年12月に、旧ジャパンゲートウェイの全事業を取得。事業を引き継いだ子会社をジャパンゲートウェイに社名変更したうえで、18年4月以降、新商品投入やテレビCMによるプロモーション活動など本格的な事業展開に乗り出した。しかし、販売実績が計画を下回り、下期入り後も収益改善が進まず、撤退を決断した。

グループ会社数は昨年9月末時点で85社。2016年3月期末の23社から、2年半で52社増加した。その大部分はM&Aで傘下に収めた企業だ。上場企業の買収も9社含まれる。連結売上高は16年3月期当時に539億円(営業利益は31億円)だったが、今や2000億円を優に超える。

RIZAPグループは2003年に健康食品の通信販売会社「健康コーポレーション」を都内で設立したのが始まり。M&Aには一貫して積極的で、06年の株式上場を機に勢いを増した。

19年3月期の赤字転落見通しを受け、打ち出したのが新規M&Aの凍結と既存事業の選択と集中だ。好調なフィットネスジム「RIZAP」事業などに経営資源を振り向け、短期的に投資回収が難しい事業は縮小・撤退、売却を推し進める。3月期末にかけて“二の矢、三の矢”を繰り出すことになりそうだ。

文:M&A Online編集部