新日鉄住金<5401>が4月1日の「日本製鉄」への社名変更に伴う新たなスタートに合わせ、着々と歩を進めている。

「日本製鉄」初代社長に橋本副社長が就任へ

年明け早々の10日に日本製鉄の初代社長に橋本英二副社長が就くトップ人事を発表。18日には、3月28日を予定する山陽特殊製鋼<5481>の子会社化について公正取引委員会から承認を受け、一部製品は神戸製鋼所に商権と製造設備を譲渡することで合意した。これに先立ち、1月1日には51%を出資する日新製鋼を株式交換により完全子会社化した。

新日本製鉄と住友金属工業が経営統合して、現在の新日鉄住金が誕生したのは2012年。以降、グループ内再編や積極的なM&Aを推進してきた。その総仕上げともいえるのが「日本製鉄」への社名変更だ。かつての「日本製鉄」をルーツとする旧・新日本製鉄にとっては1950年以来、69年ぶりの社名復活でもある。

「日本製鉄への商号変更まであと〇〇日」。新日鉄住金のHPを開くと、4月1日の「日本製鉄」スタートに向け、カウントダウンが日々続く。

新日鉄住金はここ1年、海外有力企業との連携や大規模M&Aに意欲的に取り組んできた。その一つが鉄鋼世界トップのアルセロール・ミタル(ルクセンブルグ)と進めているインド鉄鋼大手エッサール・スチールの共同買収。入札の結果、昨年10月末、ミタル・新日鉄住金連合が落札者となった。買収金額は総額6000億円以上とされる。

この買収をまとめたのが次期社長に就任する橋本副社長。エッサールはインド4位の鉄鋼メーカーで、銑鋼一貫製鉄所(年産1000万トン)を持つ。インドは今後、中国にとって代わるともいわれる巨大市場。エッサール争奪戦の勝利は今後の新日鉄住金の成長戦略を加速することにつながる。

山陽特殊製鋼の子会社化、公取委が承認

自動車や産業機械、風力発電などの重要部品に使われる特殊鋼でも大がかりなM&Aを仕掛けた。スウェーデンのオバコと山陽特殊製鋼の子会社化だ。オバコは欧州全域に地盤を持つ。山陽特殊製鋼については3月末に新日鉄住金が第三者割当増資を引き受け、持ち株比率を51.5%(現在約15%)を高めて子会社化する。

この子会社化の承認にあたっては、公取委が2社の合計国内シェアが100%となる「軸受用小径シームレス鋼管」について競争を実質的に制限することになると判断。これを解消するため、神戸製鋼に対して、2社の商権や山陽特殊製鋼の圧延設備の持分のそれぞれ一部を譲渡する。