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ブリヂストン、12年ぶり大型M&Aの「適時開示」で“ミス連発”

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東京・京橋の本社

ブリヂストン<5108>は22日、同日のオランダ企業買収に関する「東証適時開示」資料の中に3カ所の訂正があったと発表した。ユーロ建て表示の買収金額の単位の取り違えに加え、ブリヂストンの代表者の役職名、問い合わせ先である広報部長の氏名に誤りがあった。

3件の訂正は異例か

今回の買収金額は約1138億円。同社にとって2007年以来12年ぶりの大型M&Aだが、その公表資料で大手企業らしからぬケアレスミスが3カ所見つかるのは異例。

「東証適時開示」は上場企業に義務付けられた「重要な会社情報の開示」のことで、公正な株価形成と投資家保護を目的としている。なかでも経営権の異動を伴うM&Aの開示は新聞などでニュースとして報じられることが多い。

ブリヂストンは22日午後3時半に、欧州子会社を通じて、オランダの地図情報大手トムトム(Tom Tom、アムステルダム)傘下で車両の運送管理データなどモビリティー関連事業を手がけるトムトムテレマティクスを買収することで合意したとする適時開示を行った。

ところが、同日午後6時、この適時開示に関し、一部誤りがあったとして訂正を公表した。開示内容の一部訂正そのものは珍しくないが、3つの訂正がいずれも初歩的なミスだったことがかえって目を引いた。

買収金額は「910百万ユーロ(約1138億円)」とすべきところを「910万ユーロ(約1138億円)」とした。邦貨換算があるので、単位の取り違えはご愛敬ともいえる。代表者名は「取締役代表執行役CEO兼取締役会長 津谷正明」が誤りで、「代表執行役CEO兼取締役会長 津谷正明」が正しい。

もう一つは問い合わせ先となっていた広報部長の氏名が前任者のものとなっていたこと。1月1日の人事異動直後だったとはいえ、ボンヘッドのそしりは免れない。

買収金額1000億円超の大型M&Aは、2007年に更生タイヤ大手の米バンダグを約1200億円で傘下に収めて以来12年ぶりというエポック。にもかかわらず、対外発表に際し、思わぬ不首尾に見舞われた格好だ。

今回買収したトムトムテレマティクスはインターネットによる車両管理を手がけ、約86万台の車両にサービスを提供している。ブリヂストンは車両やタイヤの稼働状況に関するビッグデータを活用し、商品開発やメンテナンスサービスの品質向上につなげる考えだ。2019年4~6月に買収完了を見込む。

文:M&A Online編集部

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2019/01/02

東証「適時開示」ベースで、2018年12月の買収件数は63件。日立製作所がスイスの重電大手ABBの送配電事業を7140億円で取得するのを筆頭に、日本企業による海外M&Aは12件。再建中のパイオニアは香港投資ファンドの傘下入りが本決まりに。