ソフトバンク<9434>が東証1部に株式上場してひと月。18日の株価は前日比3円安の1429円で取引を終え、最初の1カ月は売出価格(公開価格)の1500円に一度も回復しないまま推移した。株価は大底を脱し、落ち着きを取り戻したとはいえ、目下のところ反発力は今一つ。「5G(次世代通信)元年」といわれる2019年、ソフトバンク株価は浮揚できるのか。

スタート地点の1500円が遠い?

12月19日のソフトバンク上場は厳しいデビューが待っていた。注目の初値は1463円で、売出価格1500円を37円下回った。初日の終値 は1282円と初値からさらに下落し、散々な滑り出しだった。翌12月20日には一時1176円の最安値をつけた。

年明け5日以降は1400円台に戻し、18日まで9営業日連続で終値1400円台をキープ。ただ、1400円台後半は一度もなく、スタート地点の1500円はいぜん遠いままだ。

ソフトバンクは「平成最大」のIPO(新規上場)。親会社のソフトバンクグループ<9984>が保有するソフトバンク株の3分の1超を売却し、市場から約2兆6000億円を調達した。NTT上場時(1987年)の約2兆3000億円を上回り、過去最高となった。

ところが個人投資家や市場関係者の期待とは裏腹に、上場直前に悪材料が噴出した。一つは12月初めに起きた大規模通信障害。さらに追い討ちとなったのが米政府による中国製通信機器の排除方針。中国の通信機器大手のファーウェイ(華為技術)、ZTE(中興通訊)の事実上の締め出しを狙ったものだ。

ソフトバンクは現行の4G(第4世代通信)でファーウェイ、ZTEの設備を基地局に導入しているほか、今後の主戦場である5Gでファーウェイと開発面で連携を進めていた。日本政府も通信傍受など安全保障上の懸念があるとし、米政府に同調。ソフトバンクは戦略転換を迫られることになり、先行きの経営に不透明感が漂い始めた。

2月5日の第3四半期決算発表に注目

ソフトバンクが上場時に公表した2019年3月期予想(通期)は売上高3.3%増の3兆7000億円、営業利益9.7%増の7000億円、純利益4.8%増の4200億円。増収増益を維持する見通しだ。

当面の注目は同社が2月5日に発表する第3四半期(18年10~12月期)決算。この模様はインターネット中継される。通期見通しが下振れるようなことがあれば、株価が再び迷走しかねない。

文:M&A Online編集部