西武ホールディングス<9024>子会社のプリンスホテルは英国ロンドンの高級ホテル「ザ・アーチ・ロンドン」(82室)を買収した。

プリンスホテルは2017年に、豪ホテルチェーンのステイウェルホールディングスを子会社化し、ステイウェル社が運営する25ホテルを系列化していた。

今回はステイウェル社傘下の英子会社がザ・アーチ・ロンドンを経営するABホテルズの全株式を取得する形で、英国の高級ホテルを手中に収めた。

ザ・アーチ・ロンドンは2019年夏以降に、海外で展開する最上級ブランド「The Prince AKATOKI(ザ・プリンス・アカトキ)」の第1号店として再スタートを切る。

The Prince AKATOKIの第1号店として開業

「The Prince AKATOKI」はステイウェル社が持つ外国法人の経営管理能力や海外ホテルの運営ノウハウを活用し、プリンスホテルが持つ日本特有の洗練されたホスピタリティを組み合わせて運営するという。

これは西洋式のホテルを日本特有のおもてなしの心で運営することを意味する。

海外の日系ホテルで勤務した経験を持つ星野リゾートの星野佳路代表は、雑誌のインタビューで1980年代に多くの日本のホテルが海外に進出したがあまりうまくいかなかったとしたうえで「西洋式のホテルではなく、日本旅館を海外に造りたい」と語っている。

西洋式のホテルをおもてなしの心で運営すると、確かに差別化はできるが、果たして本場のホテルユーザーを満足させることができるのだろうか。

「日本のプリンスホテル」から「世界の プリンスホテル」へ

西武グループは2018年度から2020年度を最終年度とする中期経営計画に取り組んでおり、この中でホテル・レジャー事業を成長分野と位置付け、戦略的に投資する方針を打ち出していた。

プリンスホテルの小山正彦社長は今回のM&Aについて「The Prince AKATOKI」ブランドを通して、日本ならではのおもてなしや文化を伝え「日本のプリンスホテル」から「世界の プリンスホテル」への飛躍を目指すとのコメントを発表している。

ホテル名のAKATOKI(あかとき)は、暁(あかつき)の古い表現で、「夜が明ける」「新しい時が来る」などの意味合いを持たせたという。

プリンスホテルの挑戦は1980年代の轍を踏むことになるのか、それとも思惑通り、日本らしい西洋式のホテルとして新しい運営形態を生み出すのか。挑戦に注目したい。

文:M&A Online編集部